研究課題/領域番号 |
20H01495
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07040:経済政策関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
石瀬 寛和 大阪大学, 大学院国際公共政策研究科, 准教授 (80729179)
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研究分担者 |
加藤 隼人 大阪大学, 大学院経済学研究科, 准教授 (30837703)
朱 連明 大阪大学, 社会経済研究所, 准教授 (60770691)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2023年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2022年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2021年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2020年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
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キーワード | 制度 / 貿易 / 異質性 / 集計量 |
研究開始時の研究の概要 |
「制度や政策などの外的条件の変化は経済主体間の行動と配分をどう変化させることで集計量に影響を与えるのか?」を明らかにするため、契機としての制度と政策、経路としての行動と配分の変化、結果としての集計量の変化を一貫した過程とし、国際貿易との関連を念頭に分析する。経路は家計行動を通じた経路、企業行動と企業間配分を通じた経路、産業間・地域間配分を通じた経路を考え、それぞれの経路に具体的な1から3つの研究題目を立て、理論的・数量的・実証的に分析を行う。
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研究実績の概要 |
- 隣接国間において鉄道での接続が貿易を増やすかどうかについて実証的に検証を進めた。操作変数として、当該国間の鉄道軌間が一致しているかどうかを表すダミー変数を用いている。さらに、国境地域の地形や道路の接続状況等の変数を構築し、鉄道の効果に関する結果の頑健性の確認を行った。
- 為替の変動が貿易に与える効果に関して検証を進めている。各所での報告で受けたコメントをもとに、理論モデルの修正を行うと同時に、実証部分に関しても、中期的な差分だけでなく、長期的な差分を利用した推計を行うべく、データの構築を進めた。一方で、理論分析における問題点の指摘も受け、それに対する修正を行っている。参考にしている1財モデルの論文で行っている分析手法を2財に拡張することで対応可能であるという見通しを持っているが、作業中である。
- FDIに関連する2つの論文が公刊された。1本は、2002年に中国がFDIの規制を緩和したのちに、緩和が大きかった産業ではFDIがより進展した。そのときに、FDIによって産業集積が減少したことを示した。激化する競争を避けて分散したことによる。もう1本はFDIと国内での労働に関する分析で、日本の海外直接投資と国内での雇用の関係に冠水る個票データを用い、直接投資先やその性格(水平的か垂直的)によって、国内での雇用に与える影響が異なることを示したうえで、その背後にあるメカニズムをサーチモデルをもとにした理論分析によって説明した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
最新の手法に関して海外から研究者を招聘して情報収集を行う予定であったものが、新型コロナウイルスに伴う世界的な渡航制限によって、招聘が行えず計画に大幅な遅れが出ている。また、データ分析の前提となる資料収集も20年度中には行えなかった。進行可能な部分から研究を進める形で研究を行ったこと、および招聘の代替措置として、研究代表者が渡航を行う形で情報収集および資料収集を行った。これにより、研究遅滞は一定程度埋め合わされている。しかし、学会報告及び直接の意見交換で得られる問題点の洗い出しのタイミングが遅れたために、頑健性の確認等の作業は当初予定よりも遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
現在行っている各種の頑健性の検証を仕上げ、いくつかの論文を投稿するとともに、それ以外の頑健性の検証のためのデータ収集と、頑健性の検証方法に関する最新の動向について情報収集に努める。
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