研究課題/領域番号 |
20H01497
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07040:経済政策関連
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研究機関 | 神戸女学院大学 (2023) 神戸大学 (2020-2022) |
研究代表者 |
山崎 幸治 神戸女学院大学, 文学部, 教授 (30319818)
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研究分担者 |
伊藤 高弘 神戸大学, 国際協力研究科, 准教授 (20547054)
佐藤 希 神戸大学, 国際協力研究科, 助教 (30838040)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 7,670千円 (直接経費: 5,900千円、間接経費: 1,770千円)
2020年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
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キーワード | 内戦 / スリランカ / コロナ / 経済危機 / 紛争 / 家計調査 / 和解 / ソーシャル・キャピタル / 社会統合 / 貧困削減 / ジェンダー |
研究開始時の研究の概要 |
内戦後の復興を促すためには、対立集団間の融和と社会統合が不可欠の要素となる。しかし既存研究では、内戦や過去の暴力被害によって、信頼度や互恵性などの向社会的選好がどのように変化するのか、そして向社会的選好の変化が社会・政治参加によって計測されるソーシャル・キャピタルの変化とどのように関連しているのか、一貫した答えは得られていない。そこで本研究はスリランカを対象としてエスニシティとジェンダーに焦点を当て、内戦によってもたらされた向社会的選好とソーシャル・キャピタルの変化のあり方とそのメカニズムを、既に実施した家計調査に加えて、人工フィールド実験と村落調査を実施し、併せて分析することで明らかにする。
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研究実績の概要 |
コロナ禍の影響を受けて、調査実施方法および質問票の内容に関する検討を続けた。とりわけ研究対象としたスリランカでは、コロナ禍に伴うロックダウンのため観光収入が激減し、農業政策の失敗もあり、デフォルトと経済危機を引き起こすことになった。そこで調査内容に新たに経済危機やコロナ禍、ロックダウンの影響などに関する質問項目を加え、そうした内容を各調査村のVillage Officerを対象とした村落調査、および2016年に調査を行った1600世帯の世帯主およびその配偶者に調査対象を広げ、質問票を完成させた。また、現地で定評のある調査機関であるKandy Consulting Groupと調査委託契約を締結した。 2022年度に実施予定であった調査員トレイニングおよび本調査の実施に関しては、オンラインではあるが、二日間にわたって実施し、質問票の内容を調査員に理解させ、注意点などを解説した上で、適切な質問ができるようにトレイニングを行った。その後、2ヶ月程度の期間をかけて、タブレット端末を利用した対面調査による本調査を実施することができた。その後、データ整理を終えた最終版のデータを受け取ることができた。コロナ禍および経済危機を経験した直後であり、紛争被害を受けた人々の長期にわたる苦境を知る貴重なデータを得ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍の影響で、この数年にわたって研究計画が遅れ、繰越金が発生していたが、2022年度には家計調査に向けたすべての作業を完了させた。具体的には、家計調査および村落調査に向けた質問票を完成し、それを元に現地の調査委託機関であるKandy Consulting Groupと調査委託契約を締結した。その契約に基づき、質問票のシンハラ語およびタミル語への翻訳作業、調査員の雇用、質問票をテストするためのパイロット調査の実施、調査員トレイニングの実施、そして本調査と調査データの整理、クリーニングなどの作業を、頻繁なオンラインによる打ち合わせ作業を行いながら実施することができ、2022年度末までに調査の最終データを受け取ることができた。今後はそのデータ分析をもとに、研究成果を発表し、また現地でのフィードバックを得ることができる状況となっており、したがっておおむね順調な進捗状況である。
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今後の研究の推進方策 |
上記のように、2022年度までに当初計画していた家計調査および村落調査の内容をすべて実施することができ、調査データの最終版を受け取ることができている。したがって、最終年度である2023年度には、データ分析に基づく研究成果のとりまとめと公表、および現地研究者による我々の研究内容に対するフィードバックを得る予定となっており、研究遂行は十分に可能となっている。
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