研究課題/領域番号 |
20H01499
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07040:経済政策関連
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
森保 洋 長崎大学, 経済学部, 教授 (10304924)
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研究分担者 |
阿萬 弘行 関西学院大学, 商学部, 教授 (70346906)
内田 交謹 九州大学, 経済学研究院, 教授 (80305820)
本西 泰三 関西大学, 経済学部, 教授 (90315218)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
18,070千円 (直接経費: 13,900千円、間接経費: 4,170千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2021年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2020年度: 9,750千円 (直接経費: 7,500千円、間接経費: 2,250千円)
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キーワード | 経済政策不確実性 |
研究開始時の研究の概要 |
近年の世界的な経済政策不確実性の高まりを問題意識として、本研究では、経済政策不確実性が我が国の実物経済に与える影響について、ミクロレベルのデータを利用した総合的な実証分析を行う。政策不確実性が実物経済に影響を与える経路として、1金融市場、2企業活動、3家計行動、4経営者・アナリストの業績予想の精度 に着目し、これらの経路による実物経済へのインパクトを明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、今まで明示的に実証分析がなされてこなかった経済政策不確実性が我が国経済へ与える影響を明らかにすることである。具体的には、経済政策不確実性が、(1)金融市場 (2)企業行動 (3)家計の投資行動にどのような影響を与えるのかについて検証する。 今年度は、昨年度に再構築したデータセットをもとに、経済政策不確実性が株価共通性と流動性共通性に与える影響についての本格的な実証分析を行った。さらにこの関係に、企業の公的ディスクロージャーと新聞報道がどのような影響を及ぼすのかについて、実証分析を行った。この分析を行うために、東京証券取引所の適時開示情報閲覧システムのデータおよび、日本経済新聞の記事から、実証分析に必要な情報の抽出・整備を行った。 分析の結果、公的ディスクロージャーおよび新聞記事情報は、株価共通性と流動性共通性を緩和する影響があることが示された。この結果は、公的ディスクロージャーが情報の非対称性を緩和し、金融市場の安定化に貢献していることを意味している。一方、この影響の強さは、経済政策不確実性が高いときには弱くなる傾向があることが明らかになった。これは、経済政策不確実性が高いときに、投資家の個別企業に関する情報処理能力が低くなり、個別企業の株価に個別企業の情報が織り込まれる程度が相対的に弱くなる可能性を示している。このことから、金融市場の安定化には、政策決定者による経済政策不確実性を増大させない政策決定と、経済政策不確実性が高い局面における、より精度の高い公的ディスクロージャーとマスコミ報道が必要であることが示唆される。 以上の結果を基に、論文を執筆し、海外学術雑誌への投稿準備を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染性拡大のため、研究分担者との打ち合わせが、当初予定より進展していない。ビデオ会議システムを利用し、可能な限り研究打ち合わせを推進しているが、対面形式と比較すると、細かな意思伝達が思うように進まない傾向にある。
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今後の研究の推進方策 |
ビデオ会議システム等をより積極的に活用し、各研究分担者の意思疎通をより密接なものにする。これにより、遅れている実証分析を速やかに行い、今年度構築したデータセットを利用し、経済政策不確実性が企業行動、家計の投資行動に与える影響について、基本的な実証分析を行う。
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