研究課題/領域番号 |
20H01506
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07040:経済政策関連
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
嶋本 大地 近畿大学, 経済学部, 准教授 (30748405)
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研究分担者 |
森田 忠士 近畿大学, 経済学部, 准教授 (50635175)
VU MANHTIEN (ヴ マン・ティエン) 宮崎国際大学, 国際教養学部, 准教授 (80734045)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2021年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2020年度: 7,540千円 (直接経費: 5,800千円、間接経費: 1,740千円)
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キーワード | Spillover / 輸出の波及効果 / 企業間ネットワーク |
研究開始時の研究の概要 |
ある企業が貿易をすることが、その地域もしくは同産業内の他の企業に対して正の波及効果があることは既存研究により明らかにされている。本研究は輸出の正の波及効果の背景にあるメカニズムを明らかにするために、ある企業が輸出を始めることが、親族ネットワークや取引ネットワークなどの企業間ネットワークを介してどのように他の企業に対して波及していくのか、経済実験を用いて定量的に検証する。さらに、企業が輸出を開始することの社会的便益を評価し、より最適な貿易政策の立案・実施に貢献する。
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研究実績の概要 |
本研究では、ある企業が輸出を始めることが、その企業とつながりのある他の企業の経済活動に対してどのような波及効果があるのかを定量的に明らかにするものである。 本年度はまずベトナムのハノイ周辺のいくつかのアパレルテキスタイル産業を訪問し、企業の経営者に対して、輸出活動、取引相手や情報交換相手などのネットワークに関する質的なインタビューを実施した。このインタビュー調査では、買い手などの取引関係のある企業同士で、製品の品質の向上に関連する重要な情報交換が活発に行われていることが明らかになった。さらに、こうした質的な調査に基づいて、本研究テーマを定量的に検証するために適切な産業クラスターとして刺繍産業を選択した。 次にハノイ周辺の複数の刺繍産業クラスター内の全生産者を対象に企業調査を実施した。企業調査では、企業の基本的な情報(売上、従業員数、輸出活動など)に加えて、経営者の基本情報(年齢、性別、刺繍産業で働いている年数)、同産業クラスター内における企業間のつながり(取引ネットワーク、親族ネットワーク、情報交換ネットワークなど)、刺繍製品の特徴や単価などに関する質問を行った。 今後の研究の展開としては、調査を行った産業クラスターをランダムに2つの刺繍産業クラスターに分け、いずれの一方の刺繍産業クラスターに対して輸出が促進されるような介入を行う。さらに、数カ月後に同一の企業を対象に同様の企業調査を行うことで、輸出を促進するような介入が、介入を受けた企業とその企業とつながりをもった企業に対してどのような波及効果があるのかを定量的に検証する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の拡大によって、これまで調査地を訪問することが困難な状態が長く続いたため、企業調査や介入などが大幅に遅れたためである。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究では、すでに調査をした産業クラスターを対象にランダムに2つのグループに分け、輸出を促進するような介入を行う。さらに、数カ月後に同一の企業に対して同様の企業調査を行うことで、輸出を促進するような介入が、介入を受けた企業とその企業とつながりをもった企業に対してどのような波及効果があるのかを定量的に検証する。さらに、検証結果をまとめて、学術論文を執筆し、国際学術雑誌での出版を目指す。
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