研究課題/領域番号 |
20H01509
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07050:公共経済および労働経済関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
大石 亜希子 千葉大学, 大学院社会科学研究院, 教授 (20415821)
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研究分担者 |
西村 智 関西学院大学, 経済学部, 教授 (10351727)
野崎 祐子 椙山女学園大学, 現代マネジメント学部, 准教授 (60452611)
長谷部 拓也 上智大学, 国際教養学部, 准教授 (60748896)
可知 悠子 北里大学, 医学部, 講師 (10579337)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
12,610千円 (直接経費: 9,700千円、間接経費: 2,910千円)
2023年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2022年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2020年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | 非典型時間帯労働 / 子どものアウトカム / 労働時間 / 非典型時間帯就労 / 子ども / 健康 / 家族 / 労働者 / メンタルヘルス |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、海外研究者との連携のもとに、公的統計調査の個票等を用いて①非典型時間帯就労の動向とその背景を解明し、②非典型時間帯就労が労働者のメンタルヘルスや生活満足度等に及ぼす影響を把握するとともに、③親の非典型時間帯就労が子どものアウトカムに及ぼす影響を分析する。従来の研究が労働の時間的な「長さ」を重視してきたのに対し、本研究では働く「時間帯」に注目することで、新たな学術的貢献を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究では、「時間帯」という観点から人々が非典型時間帯に働く背景を解明し、労働者や家族の健康やアウトカムに及ぼす影響を検討することを目的としている。具体的には、公的統計調査の個票を用いて①非典型時間帯就労の動向とその背景を解明し、②非典型時間帯就労が労働者のメンタルヘルスや生活満足度等に及ぼす影響を把握するとともに、③親の非典型時間帯就労が子供のアウトカムに及ぼす影響を分析する。 2021年度の実績は以下の通りである。 まず、①については、「社会生活基本調査」の個票を用いて1996年から2016年までの非典型時間帯就労の実態把握と変化について平日と土曜日・日曜日に分けて分析を行った。研究開始時点での予想とは異なり、非典型時間帯就労が一方的に増加するといったトレンドは観察されないが、この背景をさらに追究中である。 ②については、労働政策研究・研修機構の実施した「職業と生活に関する調査」を用いて非典型時間帯就労(NSWS)と労働者のメンタルヘルスやワーク・ライフ・コンフリクトとの関係について分析し、日中勤務から引き続いて非典型時間帯に就労する場合や、週末勤務をする場合とで、影響が異なることを指摘した。 ③については、「社会生活基本調査」を用いて父親の非典型時間帯就労と育児時間の関係について分析する一方、「21世紀出生児縦断調査」を用いて父親・母親それぞれの非典型時間帯就労と本人のメンタルヘルスや子どものメンタルヘルスの関係を検討し、母親の非典型時間帯就労が高校生の子どものメンタルヘルスを悪化させている(ただし影響度は小さい)ことを把握した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
分析に用いる公的統計調査の調査票(個票)の目的外利用申請が承認されるまでに時間がかかり、分析に着手する時期が当初計画より遅れた。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度に引き続き「社会生活基本調査」(総務省)の複数年次の個票を用いて、日本における非典型時間帯就労の動向とその経年変化をもたらしている要因について、労働者構成の変化とそれ以外の要因(需要側の要因など)に分けて分析する。 非典型時間帯就労が労働者のメンタルヘルスや生活満足度に及ぼす影響については、労働政策研究・研修機構が実施した「職業と生活に関する調査」の個票を用いて分析を行ってきたが、内生性の問題への対処について計量分析手法を改善し学術雑誌に投稿する。 非典型時間帯就労が子どものアウトカムに及ぼす影響については、「21世紀出生児縦断調査」の個票を用いた分析をさらに進め、母親だけでなく父親の働き方の影響の把握や、多様な子どものアウトカムを分析対象にするなどの改善を図る。 新型コロナウイルスの感染状況に加えて地政学的リスクなど不安要素があるものの、オンラインでの開催を含めて海外研究者とのワークショップの実施を目指す。
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