研究課題/領域番号 |
20H01528
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07080:経営学関連
|
研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
周佐 喜和 横浜国立大学, 大学院環境情報研究院, 教授 (50216149)
|
研究分担者 |
銭 佑錫 中京大学, 経営学部, 教授 (00329658)
具 承桓 京都産業大学, 経営学部, 教授 (20367949)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
12,610千円 (直接経費: 9,700千円、間接経費: 2,910千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2020年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
|
キーワード | サプライヤーシステム / 自動車部品 / メガサプライヤー |
研究開始時の研究の概要 |
自動車産業は、昨今、EV化や自動運転など大きな技術変革に直面し、その中で従来の日本企業の競争優位の持続が危ぶまれる状況にある。その変化の中でトヨタなどOEM(完成車)メーカーとテスラなどベンチャー企業の間で埋没しがちな主要自動車部品メーカーは、独自の経営戦略と取引システムの構築に向けた努力を続けている。この結果、自動車産業の国際競争と国際取引システムにどのような変化が起きるのか、解明するすることが本研究の課題である。
|
研究実績の概要 |
次世代自動車の開発・普及に影響する重要な要因として、各国政府の動向を見落とすことはできない。欧州や中国など、各国政府は、自国内の自動車販売における次世代自動車の割合の時系列的な動きを左右するだけでなく、何が次世代自動車に相応しいかという国際標準制定の動きまで見せている。そうした中で、次世代自動車開発の開発には、化石燃料を自動車の動力源から外すだけに留まらず、バッテリーや水素燃料などの次世代動力源を化石燃料なしに製造することまで、求められようになってきたことが判明した。そのため、次世代自動車の開発という課題の解明のためには、自動車産業の枠組みを超えるのはもちろん、発電事業まで含めたエコシステムを考える必要があることが分かった。しかも、その発電は、化石燃料を用いない(製造プロセスで二酸化炭素を排出しない)再生可能エネルギーを用いて行う必要がある。一点付け加えると、二酸化炭素排出がゼロである原子力発電も、将来的には認められなくなる可能性が出てきている。 以上の現状認識と将来展望に基づいて、次世代エネルギーの中の水素エネルギーに焦点を当てて、日本での取り組み状況について、予備的調査を行った。日本の自動車産業における水素燃料の利用という点では、トヨタの燃料電池車の開発など、世界の中でも進んでいるというイメージがあるが、将来的な国際競争力と発展可能性の点では、疑問符も付くということが、調査を進める上で浮かび上がってきた。第一は、燃料としての水素を製造するための再生可能エネルギーを用いた発電に関して、日本は世界の中で最も不利な条件下にあり、海外で製造される水素に依存せざるを得ないという点である。第二は、水素を自動車以外に広く利用するための装置製造に関して、日本企業の存在感が薄い点というである。しかし、韓国での予備的な訪問調査でも、これらの問題への対応は鈍いことが判明した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究の研究方法は、研究計画を立案した時点から、関係する企業や諸機関を訪問して、経営者や関係者に対するインタビュー調査を実施して一次情報を入手することに大きく依存していた。また、次世代自動車開発が国際競争と国際提携の下で展開されている事実を踏まえると、日本国内での調査だけでは不十分で、欧州や中国などで海外現地調査を広範に行う必要があると考えられた。コロナ禍での海外渡航は、2022年度に入ると、平常を取り戻しつつあったが、観光の再開の速度と比べると、企業への学術調査の受け入れなどの再開の動きは鈍かった。企業内の業務活動を円滑に行うための企業内部での国境を越えた出張や派遣が平常に近付いても、「不要不急な」海外学術調査の受け入れの依頼が出せるようになったのは2022年秋以降である。しかも、重要な訪問調査地の候補だった中国での調査は、2022年度末でも不可能であった。そのため、2022年度の終わりまでに、研究の遅れを取り戻すことはできなかった。
|
今後の研究の推進方策 |
2022年度後半以降は、企業や諸機関への対面式調査の実施の目途が立ち始めてきた。今年度中にこの方向への流れは、順調に進むと考えている。所属機関(大学)の夏季・春季休業期間を利用して、海外での聴き取り調査を計画・実施していくつもりである。また、国内調査は、それ以外の時期にも実施可能なので、やはり積極的に計画・実施していき、研究の進展の遅れを挽回していきたいと考えている。
|