研究課題/領域番号 |
20H01531
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07080:経営学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山内 裕 京都大学, 経営管理研究部, 教授 (50596252)
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研究分担者 |
佐藤 那央 京都大学, 経営管理研究部, 特定講師 (10850828)
平本 毅 京都府立大学, 文学部, 准教授 (30469184)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
15,860千円 (直接経費: 12,200千円、間接経費: 3,660千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2021年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2020年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
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キーワード | 組織化 / 相互反映性 / 再帰性 / サービスエンカウンター / エスノメソドロジー / 会話分析 / 身体性 / 価値づけ / センスメイキング |
研究開始時の研究の概要 |
従来の組織化(organizing)は、組織化する主体(subject)と組織化される客体(object)が分離される前提にもとづいて議論されてきた。それに対して本研究では、エスノメソドロジーの相互反映性(reflexivity)を用いてこの分離を乗り越える、新しい組織化理論を提案することを目指す。人は客体を組織化しつつ自身もまた組織化される。主体であるだけではなく、他者にとっての客体となる緊張感の中で組織化が起こる。具体的には、 物質性・身体性、言説、意味形成の3つの水準に焦点をあて、アパレル店、レストラン、バーを対象に研究を行う。
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研究成果の概要 |
組織化理論(theory of organizing)において、組織化する主体が自らも組織化されるという再帰性・相互反映性(reflexivity)の問題に取り組んだ。まず、商品を見る客の身体が見られる「アパレル店」、ワインを評価する客のスキルが評価される「レストラン」、あいまいな注文により多義性を相互に示し合いながら注文する「バー」という、典型的でありかつ異なる側面を持つ3つの文脈で経験的に分析した。そして相互反映性の概念に、精神分析における欲望(自分自身が風景の一部となり見られる)、美学における美的判断(自分自身を目的とする)の理論を導入することで、価値の創造に関する理論の構築を試みた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
再帰性・相互反映性は、組織論の中では議論されてきているものの、経験的な分析はほとんど見られず、本研究が提示した経験的分析とその方法論的示唆は大きい。例えば、身体が客体化されるにあたって段階を踏むプロセス、主体が客体を評価するにあたっての複数の空間の創造は、相互反映性が予想外に複雑で動的な現象であることを示している。相互反映性の理論を、精神分析や美学の理論にもとづいて革新したことは、組織化という理論的な文脈から、新しい価値創造という実践に向けた研究の発展の道筋をつけたという意味で意義が大きい。
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