研究課題/領域番号 |
20H01542
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07080:経営学関連
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研究機関 | 武蔵野大学 |
研究代表者 |
星野 雄介 武蔵野大学, 経営学部, 准教授 (90635682)
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研究分担者 |
金 東勲 高知工科大学, 経済・マネジメント学群, 講師 (10823403)
原 泰史 神戸大学, 経営学研究科, 准教授 (70774644)
堀 圭介 就実大学, 経営学部, 准教授 (80438514)
清水 洋 早稲田大学, 商学学術院, 教授 (90530080)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2020年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
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キーワード | イノベーション / 伝統産業 / 日本酒 / 熟練 / チームファミリアリティ / 酒造産業 / テキスト分析 / 徒弟制 / 雇用形態 / 製品品質 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究プロジェクトのテーマは、イノベーションと熟練の関係である。熟練は本当に製品の品質を向上させるのだろうか。科学的な知見や体系的な技術が蓄積されると、熟練の形成の仕方はどのように変化するのだろうか。どのような企業が人的資源への投資を行うのだろうか。優れたパフォーマンスを上げる人材はどのように形成されるのだろうか。 このような問いを日本酒製造業におけるデータを用いて実証的に分析していく。イノベーションと熟練について時系列な実証分析を行うことによって、これまで蓄積されてきた熟練に関する質的な研究を体系化も可能になると考えられる。
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研究実績の概要 |
2021年度は当初想定していた、杜氏データの名寄せを、研究分担者自身で行い、基礎的な分析を済ませた。研究者自身が名寄せをしたことから、当初想定した予算を翌年の海外学会報告の費用に充当することとした。以上を踏まえ、2021年度の実績の概要は以下の通りとなる。 論文については大学紀要論文2点であった。うち1点は査読付きである。両者ともに、テキストの時系列変化を明らかにするための手法を身に付けることを目的としている。これは2022年度以降、日本酒・清酒に関するテキスト分析が視野に入っているものの、データ収集が間に合わないという現実があったためである。紀要論文の執筆を通して、分析手法について習熟できた。また、外部の協力をもとに、政策レベルでの日本酒産業に関するテキストデータを収集できている。このデータの分析が2022年度以降の課題である。 学会発表は、国内学会発表1点、海外学会発表1点であった。国内学会発表については、分担者の1名が招待されて、研究の途中結果を報告した。演題は"Apprentiship and Product Quality"であった。 海外学会では本研究の中核となるデータの予備的分析をもとに、"Team familiarity and product quality: longitudinal analysis of Japanese sake brewing"という演題で、"Annual Conference of the American Association of Wine Economists"にて報告し、有益なコメントをもらうことができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
上記のように、一定の研究成果をあげられたものの、研究の進捗自体は決して順調とはいえない。理由は、中心となるデータセットの名寄せに、研究分担者2名の、合計500時間を超える膨大な時間を費やしたことであった。当初の研究計画では、この名寄せは業者に委託することで、予算は費やすものの、短時間で完了するはずであった。しかしながら、データの形式が機械的な名寄せを許さなかったことから、文脈に明るい研究分担者が行わざるを得なかった。この間、データの分析がストップすることになってしまった。 しかしながら、データセットは、2021年度中に完成したことから、2022年度以降は論文の発表および周辺的なテーマについての分析が可能になってきている。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は、まずは国際学会での報告ののちに、論文発表に向かう。本研究で想定している国際学会は"Annual Conference of the American Association of Wine Economists"であり、ワインのみならず、ビールや日本酒も取り扱う、世界有数の国際学会である。ここで発表し、コメントをもとに、論文を執筆していく。 論文については、執筆後、組織論を中心とした国際ジャーナルに投稿していく予定である。日本酒産業という研究領域ではあるが、データセットが巨大であるため、文脈に依存しない一般化が可能ではないか、というのが、我々の認識である。 続いて、データセットを用いた周辺的なテーマの分析を開始する。中心的なテーマは、蔵人のキャリアとイノベーションとの関係の分析である。 最後に、直接データセットを用いるわけではないものの、日本酒産業を取り巻く文脈を、テキスト分析の手法を使うことで、明らかにしていきたい。日本酒産業の文脈は、我々の以前の論文が想定していた産業組織論的な文脈のみならず、国の戦略に依存する可能性があるためである。文脈を分析するためのテキストデータの収集は、おおむね完了している。
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