研究課題/領域番号 |
20H01550
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07090:商学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
栗木 契 神戸大学, 経営学研究科, 教授 (90294397)
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研究分担者 |
吉田 満梨 神戸大学, 経営学研究科, 准教授 (30552278)
横山 斉理 法政大学, 経営学部, 教授 (70461126)
高瀬 進 神戸大学, 経営学研究科, 経営学研究科研究員 (90724047)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
8,320千円 (直接経費: 6,400千円、間接経費: 1,920千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | エフェクチュエーション / マーケティング / バリューイノベーション / 市場創造 / 組織行動 / 市場資源 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、企業のどのようなリソースの活用方法の組み合わせが組織内のエフェクチュエーション型の行動を活性化するかを明らかにし、市場創造型マーケティングの理解と実践に貢献することを目的に、文献調査、比較事例調査、質問票調査を行い、企業内リソースをどのように組み合わせたときに、エフェクチュアルな行動をうながす効果が高まるかについての仮説を構築し、検証する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、企業のどのようなリソースの活用が組織内のエフェクチュアルな行動を活性化するかを明らかにし、市場創造型マーケティングの理解と実践の高度化に貢献することである。そのために本研究では、探索的な事例研究とその検証を進める。本研究では、まだ十分に解明の進んでいないこの関係に、探索的な事例研究とその検証を通じて取り組み、新規市場創造に向けたエフェクチュアルな行動を必要とする企業などへの新たな示唆を生み出すことを目指す。 令和4年度は、令和3年度までの文献調査と比較事例調査を引継ぎ、これらをさらに進めることで獲得した、理論上、方法上の知見を踏まえて、fsQCAを用いて比較事例調査の結果を深掘りするためのリサーチ・デザインの作成を進めた。 文献調査では、組織のリソースとエフェクチュエーションの関係の検討を進め、組織内でエフェクチュアルな行動の活性化と、業務プロセスやインセンティブや評価などの制度、そして企業文化やデータベースなどのリソースとの関わりについての先行研究の整理と体系化、そして事例研究とその検証を進めるための方法論的な検討を行い、論文、学会報告などのかたちで発表した。加えてエフェクチュエーション研究において、fsQCAがどのように活用できるかの検討を進めた。 比較事例調査では、エフェクチュアルなマーケティング行動を実現している組織において、業務プロセス、インセンティブ、企業文化そして情報システムなどのリソースがどのように作用しているかの調査と検討を行い、論文、学会報告などのかたちで発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の目的は、企業のどのようなリソースの活用が組織内のエフェクチュエーション型の行動を活性化するかを明らかにし、市場創造型マーケティングの理解と実践に貢献することである。令和4年度にはコロナ禍の影響の変化を踏まえて研究計画を見直しながら、研究を進めた。研究目的に立ち返り、文献調査を通じて理論上、方法上の課題を検討し、比較事例調査を進めた。 文献調査では、組織のリソースとエフェクチュエーションの関係の検討とともに、fsQCAをエフェクチュエーション研究に適用する上での方法論上の課題の検討を進めた。比較事例調査では、市場創造にかかわるエフェクチュアルな動きを活性化させている企業事例を対象に調査を進めた。比較事例調査では、対象事業が市場創造を果たしていくプロセスで活用されるリソースの検討を行い、業務プロセス、インセンティブ、企業文化そして情報システムに加えて、市場との関係性などのリソースが果たす役割を検討した。 加えて、収集してきた事例のさらなる深掘りを、fsQCAの特性を踏まえて実施していくためには、どのようなリサーチ・デザインが有効かを検討した。これらの検討を通じて、エフェクチェーションのリソースは組織を超えて市場との関係性にも広がっており、そこにおける条件として提示されてきた第三の不確実性、等方向性、そして目的の曖昧性と、エフェクチェーションの行動原則の関係については、これまでのところエフェクチュエーション研究における重要問題として理論上の検討はなされているものの実証的な研究は進んでいないことに気づいた。実証が進んでいないために、第三の不確実性、等方向性、目的の曖昧性の三者のいずれが、最もエフェクチュアルな行動を促進するか、三者のどのような組み合わせがエフェクチェーションを促進しやすいかといった問題は未解明なままである。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度は、令和4年度までの文献調査を通じて検討した理論上、方法上の課題を、そして令和4年度までの比較事例調査の結果を踏まえて、上述の市場資源の問題の探索的研究のためにはサーベイよりも適合性が高いと考えられる、事例調査の結果を活用し、fsQCAによる分析の枠組みを確定し、データのコーディングと分析を進める。 本研究では、組織の制度やリソースとエフェクチュエーションの関係の検討を進め、組織内でエフェクチュエーションを活性化するのは、どのような業務プロセスやインセンティブや評価などの制度、そして企業文化やデータベースなどのリソースであるかという観点から、マーケティング論をはじめとする関連諸分野の先行研究を振り返り、それらの整理と体系化を進めてきた。本年度は、そこで浮上してきた市場資源の問題が、エフェクチュエーションの理論上の基盤をなすものでありながら、実証的な研究が進んでいないことを踏まえて、さらなる文献調査と比較事例調査に取り組みながら、これまでに本研究が蓄積したてきた事例調査の結果を用いたfsQCAのためリサーチ・デザインを確立し、研究を進める。
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