研究課題/領域番号 |
20H01562
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
平井 太郎 弘前大学, 大学院地域社会研究科, 教授 (70573559)
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研究分担者 |
藤井 さやか 筑波大学, システム情報系, 准教授 (70422194)
由井 義通 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 教授 (80243525)
大澤 昭彦 東洋大学, 理工学部, 准教授 (80619809)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2023年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
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キーワード | 新自由主義都市政策 / 超高層住宅 / 二重の老い / 規制緩和 / 高齢期トランジション / 存在論的不安 / 世代間対立 / 公共貢献 / 超高層居住 / 居住不安 / 管理不全 / 人の介在しない管理 / インフラ負荷 / 高さ制限 / ジェントリフィケーション / 都市再生 / 世代間ギャップ / トランジション / 都市再生政策 / 容積緩和 / 都心居住・都心回帰 / 都心回帰 / マンション管理 / 単身世帯 / グローバリゼーション / 集合住宅管理 / 感染症拡大 / ポストコロナ / グローバルシティ |
研究開始時の研究の概要 |
世界的に急増する超高層住宅で危惧される「建物・設備の老朽化と所有者・居住者の高齢化が同時に進む」=「二重の老いdouble-ageing」の問題状況を実証的に明らかにする。そのうえで問題解決の多様なあり方を、国際的政策検討と現場の実践のフィールドワークから導き出す。さらに、その知見を政策担当者や実務家、所有者・居住者と広く共有し、都市の持続可能性の確保に寄与する。 そのために異分野の手法と知見を総合し「二重の老い」問題がハード・ソフト両面にわたる点をカバーする。「二重の老い」概念は高齢化先進国・日本だからこそ蓄積してきた法制度や現場の模索の蓄積をモデル化し海外にむけ発信する。
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研究成果の概要 |
新自由主義的都市政策が世界的に主流化して以降、各地の都市では超高層住宅が主要な居住形態の1つになっている。その建設が世界に先駆けて2000年代から2010年代に高密に行われた東京都区部では、すでに建築から20年が経過した超高層住宅も現れ設備の老朽化physical ageingが早くも懸念される。さらに、本研究を通じ、東京都区部の超高層住宅は入居当初からリタイア層が一定数含まれ、居住者の高齢化demographic ageingも同時に課題化されるべきことがわかった。こうした超高層住宅をめぐる二重の老いは、日本社会のようにジェンダー不平等が浸透しているとさらに解決が困難になると危惧された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
第1の意義は、2000年代における新自由主義的規制緩和が超高層住宅の浸透を促すメカニズムを明らかにしたことである。超高層住宅の9割が何らかの容積率緩和制度を利用しており、絶対高さ型高度地区計画の適用によりさらに高密度化・集中化が図られていた点も明らかになった。 第2の意義は、設備の老朽化と居住者の高齢化が、超高層住宅で先取り的に発生していること、その解決を図る社会的制度が機能しづらいことを明らかにした点である。そうした問題を社会学的に「高齢期トランジション」と概念化したことも本研究の特徴である。さらに、ジェンダー不平等を背景に女性において問題が深刻化する危険性を指摘した意義も大きいと考える。
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