研究課題/領域番号 |
20H01564
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
白井 千晶 静岡大学, 人文社会科学部, 教授 (50339652)
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研究分担者 |
木村 美也子 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (80635441)
菅野 摂子 埼玉大学, その他部局等, 准教授 (60647254)
二階堂 祐子 国立民族学博物館, 超域フィールド科学研究部, 外来研究員 (40831269)
洪 賢秀 明治学院大学, 社会学部, 研究員 (70313400)
松尾 瑞穂 国立民族学博物館, 超域フィールド科学研究部, 准教授 (80583608)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2023年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2022年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2020年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
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キーワード | 出生前検査 / 障害 / アジア / NIPT / 人工妊娠中絶 / 生殖医療 / 生命倫理 / 生殖 / ジェンダー / 障がい |
研究開始時の研究の概要 |
日本で近年、NIPT(いわゆる新型出生前検査)をはじめとする出生前検査の諸課題が議論されている。グローバル化の中でアジアでも出生前検査が拡大しているようだ。他方、出生前検査の導入、内容、費用補助など公共的社会の介入、人工妊娠中絶への態度は様々だ。つまり技術があれば検査への欲望が増幅されて、検査が拡大・普及するとは限らない。本研究は、日本を含むアジア9ヶ国のアンケート調査とインタビュー調査を通して、社会文化的な人間観(生命観、障害観、身体観等)や、法制度・宗教・人口政策などのマクロ要因、および個人属性や関係性がどのようなメカニズムで出生前検査、障がい、中絶、養育への態度と関連しているか探究する。
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研究実績の概要 |
2021年度は、新型コロナウィルスの世界的な感染拡大のため、アジアでの現地調査を実施することは到底できなかった。そのため、日本でのインタビュー調査をオンラインにより実施した。インタビュー調査デザインを検討し、倫理審査を受審した。出生前検査に関わる医療者、出産経験女性の協力を得て、計画していた調査をほぼ完了し、データ化まで進むことができた。結果的には、この日本でのオンラインインタビューを海外に先立って実施することにより、海外でインタビューすべき点が明確になったことは大きな利点である。 また、2020年度に実施した本研究対象のアジア9か国・地域(日本、韓国、台湾、ベトナム、ミャンマー、タイ、フィリピン、インド)で実施したインターネット調査の集計と考察を進めた。こうしたアジア諸国を対象にした出生前検査の経験と障害や家族、生命観に関する量的調査は世界でも類をみない。次年度には報告書を刊行できる予定である。さらに、これまでの研究に本研究から得た示唆を含めた書籍を刊行した(白井千晶編著『アジアの出産とテクノロジー:リプロダクションの最前線』勉誠出版)。アジアのリプロダクション領域の現在を扱った貴重な書籍で、出生前検査、人工妊娠中絶などを論点に含んでいる。ここには白井、松尾、洪の寄稿が含まれている。 そのほか、こうしたインターネット調査と日本を対象にしたインタビュー調査の結果を論文や日本母性衛生学会での口頭演題の連続発表などにし、研究成果公開に努めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウィルスの感染拡大のため、対象国の東アジア、東南アジアの産科医療、および生活・就労・経済環境が危機的で、インタビュー調査や現地調査を実施することができない。
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今後の研究の推進方策 |
現地調査については、現在実施しても平時の状況ではないため、国内で調査準備をして、時機を待つことにする。 文献レビュー、すでに実施したインターネット調査の分析、オンラインによる研究会の実施、海外インタビュー調査の調査デザイン検討を進める。 オンラインでの研究会参加、国際学会への参加など、オンライン化が進んだ恩恵もあるため、柔軟に推進する。
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