研究課題/領域番号 |
20H01571
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
石野 洋子 山口大学, 大学院技術経営研究科, 教授 (90373266)
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研究分担者 |
高橋 真吾 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (20216724)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2023年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
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キーワード | 社会シミュレーション / エージェントベース・モデリング / ベイジアンネットワーク |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,量的データが入手困難な事象に注目する.すなわち,エージェントの適切な内部モデル構造推定のための,質的データに着目した新たな方法論を確立し,医療介護や教育の分野における実際の問題で,提案手法の有効性を実証する.最終的には,データ量の多寡の問題を吸収できる枠組みを構築し,ABMの一般的なモデリングの定式化を目指す.
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研究実績の概要 |
現代,人類社会が直面する課題の多くは,多様な意思を持つ人間同士が相互作用することで予期せぬ結果を生む複雑系に創発する現象といえる.この種の現象解析には,エージェントベース・モデリング(ABM)を用いた社会シミュレーションが有用である.この方法は,現象をモデル化・可視化し,そのダイナミズムを読み解くことを可能にするが,「現実のどの部分を抽象化してモデルを構築すべきか」という基幹部分が定式化されておらず,信頼性を疑問視する声もある.そこで本研究は,質的なデータと量的なデータを繋ぐ新たな手法を開発し,医療介護や教育の分野における実際の問題で検証を行うことを目的にスタートした. しかし,R2年度に新型コロナウイルス感染症の影響により,予定していた医師への深層インタビューの実施が困難になり,やむなく調査対象をスポーツ分野に変更した.令和3年10月までに,文献調査,研究分担者と研究内容について議論,アスリートにインフォーマルなインタビュー,予備調査のとりまとめを行い,令和4年3月までに,数十人程度のアスリートに深層インタビュー,データ解析,研究結果とりまとめを行う予定であった. しかし,当初の想定に反し,事前調査や専門家との議論により,アスリート間のネットワークが限定的であることが判明したため計画を見直し,数十人程度のアスリートへの深層インタビューではなく,市民ランナーを対象にした量的調査に変更した.そして,令和4年3月に,市民ランナーの意識と行動を知るために,20代~60代の男女16,277人にインターネット調査を実施した. 一方,「教育」の分野では,協調して問題解決の筋道の共有を行うグループ学習のタスクを取り上げ,ゲーミングを企画・設計して,実際に大学生を対象者として実験を行った.また,社会におけるイノベーションをシミュレーターに実装して解析を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
R2年度に新型コロナウイルス感染症の影響により,予定していた調査(医師への深層インタビュー)の実施が困難になり,調査対象分野を変更する必要に迫られた.そのため,予定していた研究に若干の遅れが生じ,それが現在まで影響している.
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今後の研究の推進方策 |
実施した「市民ランナーの行動」に関するインターネット・アンケート調査を因果推論と機械学習を組み合わせて分析したところ,ランナーのランニングイベントに関する行動変容がウェアラブルデバイスの購入に与える影響を明らかにすることができた.このような自己の行動変容は,因果推論における介入と捉えることができ,これにより,商品に対する効果的なスポーツマーケティング施策の提案が可能となることを示した.今後は,ベイジアンネットワークを利用して社会シミュレーションのためのABMを作成する.そして,作成したABMを用いて,実際にシミュレーションを行い,ミクロな構成主体からマクロな動きを創発させる効果を検証する.特に,シナリオ分析を行うことで,モデリングの評価を行うとともに,どのような行動がシステムとして良い結果を生み出すかについて分析を行う.ここで「シナリオ」とは,分析対象システムの1つの状況と1つの政策の組合せを指す.考察したい分析対象システムの状況シナリオおよび政策シナリオをそれぞれ複数個用意し,各シナリオの組合せごとに,数十回試行を行い,マクロの状況変化の可能性を示し,その可能性が現れるメカニズムを解釈する. この結果に基づき,より複雑な事象において,提案する手法の適用を目指す.
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