研究課題/領域番号 |
20H01574
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
安立 清史 九州大学, 人間環境学研究院, 教授 (40192968)
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研究分担者 |
高野 和良 九州大学, 人間環境学研究院, 教授 (20275431)
益田 仁 中村学園大学, 教育学部, 講師 (20551360)
白波瀬 達也 関西学院大学, 人間福祉学部, 准教授 (40612924)
黒木 邦弘 熊本学園大学, 社会福祉学部, 教授 (60369832)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
14,430千円 (直接経費: 11,100千円、間接経費: 3,330千円)
2022年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2021年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2020年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
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キーワード | NORC / NPO / 社会福祉法人 / 全世代対応型社会保障 / 多世代共創 / NORC(自然発生的な高齢者集住地域) / タワーマンション / 不可視化 / 匿名化 / 生活支援 / 子育て支援 / 介護老人福祉施設 / NPO法人 / 介護保険 / 地域福祉 / ボランティア / 有償ボランティア / オンライン・インタビュー / ワンマイル・プロジェクト / 非営利組織 / 福祉コミュニティ |
研究開始時の研究の概要 |
NORC(自然発生的な高齢者集住現象)の実態を調査し、その解決に向けた方法論を開発することを研究課題とする。都市部での高齢単身者世帯の増大は、自然発生的に生じているため実態や問題が「見えない」。ゆえに解決に向けた対応が遅れている。同じく保育・子育て世代の問題も見えにくくなっている。こうした「不可視」の問題を、どのよう方法で把握し、どのように「可視化」していくか。さらに、問題解決に向けて地域の住民が多世代的に協力しあう新たな社会学的な共創の方法論や組織論の研究も研究課題としている。
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研究実績の概要 |
NORC(自然発生的な高齢者集住地域)は不可視のうちに全国各地に浸透している。とりわけ大都市の都心部では地域の再開発にともない高層階のタワーマンションが次々に林立するようになっている。こうしたタワーマンションはセキュリティの向上とトレードオフ関係で住民相互の匿名化や不可視化が進み急激にNORCに転化しつつある。また子育て世代も小家族化して地域での共同性を持つことが困難になっておりNORCと同じ状況が生まれている。都市部での再開発が急速に進む一方で、コロナ禍の影響などで近隣との交流や共同の機会は激減し、匿名化し不可視化する社会の問題状況はますます深刻化している。これらの状況を2021年度は、大阪、福岡、熊本等のそれぞれの地域でNORCの課題解決に向けた多世代共創のあり方を調査した。大阪では西成特区や釜ヶ崎のリサーチを、福岡では介護老人福祉施設とそこに併設された子育て支援活動を、熊本では行政との協働による生活支援コーディネーターや災害復興地域などを、コロナ禍のもとでの調査という制約のもとでオンラインでのインタビューやアンケート調査なども活用しながらリサーチをおこなった。それぞれの地域では問題を可視化することがまず困難であり、それゆえ行政の積極的な関わりが難しく、コロナ禍と同じくNORC問題は不可視化された人びとの生活課題をますます深刻化している実態が明らかになりつつある。今年度の調査結果をふまえて次年度はその理論化に向けて研究を展開していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍のもとでNORC(自然発生的な高齢者集住地域)の現場をフィールドワークしてリサーチすることが困難であった。介護老人福祉施設では、外部からの訪問を制限しており、聞き取りやヒアリングなども困難であった。またタワーマンションなどでも、外部からのフィールドワークが厳しく制限されていた。子育て支援の活動現場でも同様で、フィールドワークや聞き取りによって実態を把握することがたいへん困難であった。代替案として、オンラインでの聞き取りや、オンラインでのアンケート調査を行うほかはなかったが、それゆえの調査研究の遅れが否応なく生じた。 もうひとつの要因は、福岡、熊本、大阪と共同研究者が離れており、コロナ禍のもとで移動が制限されることが多かった。共同研究会もオンラインで行うことが多く、共同しての論文や報告書の執筆などに遅れが生じた。 こうしたやむを得ない事情で、やや調査研究の進捗は遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は最終年度なので、研究成果を論文や出版や公開シンポジウムなどの形で発表していく年度となる。各自が研究成果を発表するだけでなく、全体的な報告会やオンライン・シンポジウムなどの形で社会還元していく予定である。また研究成果の書籍による出版なども予定している。
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