研究課題/領域番号 |
20H01585
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 東京工科大学 |
研究代表者 |
山崎 晶子 東京工科大学, メディア学部, 准教授 (00325896)
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研究分担者 |
坂本 大介 北海道大学, 情報科学研究院, 准教授 (00556706)
大澤 博隆 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 准教授 (10589641)
小林 貴訓 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (20466692)
中西 英之 近畿大学, 情報学部, 教授 (70335206)
山崎 敬一 埼玉大学, 人文社会科学研究科, 名誉教授 (80191261)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2022年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 6,890千円 (直接経費: 5,300千円、間接経費: 1,590千円)
2020年度: 7,540千円 (直接経費: 5,800千円、間接経費: 1,740千円)
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キーワード | 社会学 / 社会学的ロボット学 / エスノメソドロジー / 会話分析 / 工学 / ロボット工学 / 相互行為分析 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,「ロボット」が「人間」に対してどのように振る舞うべきかではなく ①「人間」が「ロボット」をどのような存在として扱い,そうした存在に対して人間がどのように振る舞うのかという問題や, ②人々の生活空間に共在するロボットに対して人々がどのように振る舞うかという社会生活の現場での問題は,これまで実証研究がほとんどなされてこなかった問題に挑む。 そして人々が同時に様々な活動を行う社会生活の現場のなかにどうロボットを組み込むかまたロボットに対して人々がどう振る舞うのかという社会学的問題を「社会学的ロボット学」として考察する。
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研究実績の概要 |
コロナ禍であったが、2020年度に分析を行った成果が現れて、成果を国際的なジャーナルや権威ある国際学会で発表をすることができた。 また、2021年度にコペンハーゲン大学で開かれたMultimodality Dayにおいて、招待基調講演を行った。対面で行った講演には、ヨーロッパを主として、香港、アメリカなどからも多くの研究者があつまり、ソーシャルロボットや社会学的ロボット学への関心の広がりを見せた。特に、人々の共同作業の場面の分析の知見とその知見をそのままではなくロボットデザイン指針に移すやり方に関して、多くの研究者や院生から質問を受け、関心の高まりを肌で感じた。また、前日には、コペンハーゲン大学の講座で講演を行い、現在研究の第一線におどりでている大学院生とも問題意識を共有した。 ロボットと人間の共生は、ヨーロッパにおいても大きな課題となり、この事象に対する一つの解決策として、鑑賞や購買などの人間の共同作業を分析し、それを指針としてデザインされたロボットが、実験室やフィールドでどのように共生するかということに関する評価を、人間の共同作業の知見という一貫した評価軸がわかりやすかったということだと考えている。 また、工学系の分担者は、ロボットによる人間の支援を2020年から行っていた購買支援研究を大きく広げる形で研究を行ったり、そのための基礎研究を行い、国際学会などで高い評価を得た。コロナ禍でまだ十分に実験を行えなかったが、以上のように研究成果が高く評価を受け始めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍で十分に実験を行うことができなかった。多様なフィールドでの人間の相互行為の観察も、ロボットの実験も研究の上で必要なほどは不可能であった。また、ドイツとの合同ワークショップを行うことが本研究の当初の計画であったが、相手国や研究者の事情により十分な交流ができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
1.ミュージアムでの鑑賞支援ロボットの設計のために、人々がどのように共同で絵画を鑑賞するかを観察する。具体的には実際のミュージアムでの鑑賞場面をビデオ録画して、そのビデオ録画をエスノメソドロジー・会話分析によって分析する。 2.購買支援ロボットを設計するために、実際の商店で被験者が購買する場面を録画し、それをエスノメソドロジー・会話分析によって分析する。 3.1と2で分析したそれぞれの結果を、研究分担者とともに検討し、人間と共生するロボットに関する論文を出版する。
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