研究課題/領域番号 |
20H01586
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | フェリス女学院大学 |
研究代表者 |
小ヶ谷 千穂 フェリス女学院大学, 文学部, 教授 (00401688)
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研究分担者 |
大野 聖良 神戸大学, 国際文化学研究科, 特別研究員(RPD) (20725915)
原 めぐみ 和歌山工業高等専門学校, 総合教育科, 准教授 (90782574)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
9,620千円 (直接経費: 7,400千円、間接経費: 2,220千円)
2022年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2021年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2020年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | 移住者支援 / 国際社会学 / 日比間の人の移動 / ライフストーリー |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、過去30年以上にわたる日本とフィリピンの間の人の移動において、これまでほとんど着目されることのなかった支援組織および、その活動を具体的に支えてきた支援者の役割に着目する。 日本とフィリピン双方の支援者のライフストーリーの分析を通して、今日の人の国際移動における重要なインフラストラクチャーの一つである「移住者支援」という領域を、国際社会学の中に位置づけることを目指す。
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研究実績の概要 |
研究2年目にあたる2021年度は、5月にオンラインでの研究打ち合わせを実施し、本年度も引き続いたオンラインでのインタビューのスケジュールの確認や修正を行った。 2021年5月には元Batis Center for Womenのクライアントであった女性、7月には長く日比間の社会運動にかかわってきた大阪在住の支援者に対してそれぞれオンラインでインタビューを実施し、それぞれトランスクリプトを作成した。また、2020年度に実施したマリガヤ・ハウスのソーシャルワーカーに対するインタビューを『社会運動史研究』(特集:越境と連帯)に掲載可となったため、その原稿準備のためのオンラインでの打ち合わせを9月以降複数回実施した(『社会運動史研究』は2022年7月に刊行)。 加えて、並行して英語論文の執筆と投稿準備を進めた。また、本研究の成果の書籍出版計画が具体化したことを受け、書籍の構成案の検討や出版社との打ち合わせも実施した。 2021年10月からは前年度に引き続き科研費研究員を雇用し、インタビューのトランスクリプト作成や、資料収集、打ち合わせ・研究会の記録作成などの作業補助を依頼した。 なお、2021年度も新型コロナ感染症の影響でフィリピンでの現地調査の実施が不可能であったため、2022年度まで研究期間を延長することとなった。2022年度の延長期間においては在日フィリピン人女性の支援者へのインタビュー調査を国内で実施したほか、本研究の協力団体の一つである特定非営利活動法人JFCネットワークと共同で、本研究におけるインタビュー・データを用いた日・英・比の3か国語での映像作品を制作し、本科研が最終目標として掲げている「研究成果を調査対象者および広く社会に還元する」方策の一つとすることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2021年度も新型コロナウィルス感染症の影響により夏季のフィリピンでの調査が実施できず、2022年度夏季に延期を余儀なくされた。そのため、当初の調査計画の大幅な変更を余儀なくされたが、新たに日本語・英語での論文投稿の準備や、映像作品の制作などの形で研究成果を発信する機会を得ることができたことは収穫であった。 また、書籍の出版計画が具体化し、延期となった調査計画も含めてより具体的な計画を立てられたことも、研究全体の進捗にとっては有益であった。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度においてもフィリピン調査の実施はかなわず、さらに研究計画の変更・延長を余儀なくされたものの、2022年度においては夏季にフィリピン調査を実施することができた。ただし、研究分担者の新型コロナ感染症罹患のため、大幅な計画の変更を余儀なくされたほか、研究分担者の産休・育休もあり、2023年度への期間延長もすでに決定している。2022年度の成果および2023年度延長分の成果は、書籍出版としての計画がさらに具体化しており、その点においては順調に研究の遂行および成果発信を実現できる見込みである。
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