研究課題/領域番号 |
20H01606
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08020:社会福祉学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2023) 大阪歯科大学 (2020-2022) |
研究代表者 |
濱島 淑恵 (宮川 淑恵 / 濱島淑恵) 大阪公立大学, 大学院現代システム科学研究科, 准教授 (30321269)
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研究分担者 |
宮川 雅充 関西学院大学, 総合政策学部, 教授 (40389010)
南 多恵子 関西福祉科学大学, 社会福祉学部, 准教授 (10455040)
尾形 祐己 大阪歯科大学, 医療保健学部, 助教 (30826657)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
13,260千円 (直接経費: 10,200千円、間接経費: 3,060千円)
2023年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2022年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2021年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2020年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
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キーワード | ヤングケアラー / 家族介護 / 当事者活動 / 地域福祉 / 高齢者福祉 / 若者ケアラー / NPO / 高校生 / 中学生 / 質問紙調査 / ピアサポート / 介護者支援 / 若者介護者 / 地域支援ネットワーク |
研究開始時の研究の概要 |
ヤングケアラーとは「家族のケア(介護,精神的支え,家事,きょうだいの世話等)を担う子ども」を指す。彼らは健康,学業,人間関係等に様々な困難を抱えるが,日本では発見・支援の方法が確立せず,専門的な支援がほとんど行われていない。そこで本研究では,ヤングケアラーの実態把握とともに,①ヤングケアラーの発見手法(「判断基準・指標」の改良等),②ヤングケアラーの支援方法(支援のメニュー,プログラム等),③ヤングケアラー発見・支援の多職種連携のあり方を検討する。さらにこれらを統括し,地域を基盤とした「ヤングケアラーの発見・支援モデル」として検討,提案する。
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研究実績の概要 |
第1に、2021年度に大阪市で実施した中学生を対象とした調査結果を報告書としてまとめた。ヤングケアラーの存在割合が約9%であったこと、ケアの相手は、祖母、年下のきょうだい、母親などが多く、ほぼ毎日ケアをしているが、短時間の者が多い一方で、学校がない日はケア時間た長時間化する傾向があること等を示した。また欲しい支援としては、勉強のサポート、家事のサポート、経済的な支援に加え、寄り添い支援、ピアサポートの必要性を指摘した。 第2に、複数の自治体においてヤングケアラーに関する実態調査を実施した結果を踏まえ、ヤングケアラーの現状と支援について検討した。例えば、尼崎市での小中学生への調査では、中学生の方が小学生よりも弟・妹の割合は低く、母、父、祖父母の割合が高く、年齢による違いがあること等、子どもがケアを担いやすい要因について考察した。また、大阪府の居宅介護支援事業所、相談支援事業所等を対象とした調査では、高齢領域、障がい領域ともに、ヤングケアラーという言葉の認知度は高いが、ヤングケアラーのケースは「いない」と回答した者が高齢領域の方が障がい領域よりも高い割合で存在すること等が示された。 第3に、上記の調査結果を踏まえながら、これまでに実施した大阪府、埼玉県での高校生を対象とした質問紙調査の結果の分析を進め、子どもがケアを担う背景について検討した。その結果、母親がケアを要する状態にあること、祖父母との同居、経済的な余裕のなさ(アルバイトをして家計を助けている)等の条件下にある時、子どもがケアを担いやすいことを示した(2023年6月発行の社会福祉学会誌に掲載予定)。 第4に、地域を基盤としたヤングケアラー支援実践として、尼崎市でレスパイト事業を行い、主催者へ事業のポイントと効果、課題について聞き取りを行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
イギリスへの訪問調査を予定してたが、国内でのヤングケアラー支援に関する動きが活発になり、その動向を把握する必要が生じた。そのためイギリスへの調査よりも先に国内の調査を実施しなければならなかっため。
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今後の研究の推進方策 |
第1に、国内のヤングケアラー支援の取り組み状況を把握するため訪問調査を進め、日本におけるヤングケアラー支援の現状と課題を整理する。 第2に、上記の訪問調査結果を踏まえ、イギリスで訪問調査を実施し、イギリスでの取り組みの現状と課題を把握するとともに、日本におけるヤングケアラー支援の方向性、抱える課題の解決方法を検討する。 第3に、地域と基盤とするヤングケアラー支援実践活動の意義、効果を昨年度実施したアンケート結果、また今年度実施するインタビュー調査を通して整理する。 第4に、大阪市中学生調査の結果について詳細な分析を進め、どのような条件下において、ケア負担が大きくなる、生活困難が生じやすいかを検討する。
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