研究課題/領域番号 |
20H01661
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09030:子ども学および保育学関連
|
研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
根ケ山 光一 早稲田大学, 人間科学学術院, 名誉教授 (00112003)
|
研究分担者 |
岸本 健 聖心女子大学, 現代教養学部, 教授 (20550958)
宮内 洋 群馬県立女子大学, 文学部, 教授 (30337084)
小島 康生 中京大学, 心理学部, 教授 (40322169)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
|
キーワード | 多良間島 / アロマザリング / 家庭 / 父親 / 本土復帰 / 守姉 / 都市部 / 地域 / 沖縄 / 子育て / 家族 / インタビュー / 観察 / 質問紙 / 離島 / 時代推移 / 育児行動 / 家事行動 / ライフストーリー / 祖父母 / アロマザリングシステム / 世代間連鎖 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は家族という子育て集団に注目し,母子遠心的な育児風土を特徴とする沖縄県多良間島の家庭における母親とアロマザー達の育児連携を明らかにするとともに,幼少時のアロマザリング(とくに守姉やきょうだいによるケア)経験が後の自子の養育にいかに影響するか,そして戦後の沖縄社会の激変にともない家庭での子育てがいかに変遷したかを検討する。またそれを通じて家庭内アロマザリングの不変構造と易変構造を考察するとともに,育児が母親に一極集中しがちな都市部と離島の子育ての対比により,日本の子育ての過去・現在・未来を再考する。
|
研究成果の概要 |
守姉というアロマザリングが存在する多良間島の家族関係や地域関係とその変化を多面的に調べた。沖縄では家族のアロマザリングが活発であり、父親が育児に活発に参加すること、本土復帰以降父親が急速に家事育児を分担するように変化してきたことがわかった。また島を出た人へのインタビューからは、島への思いがアンビバレントであり,島の生活と子育てが本土の大きな影響下にあることとが確認された。多良間島における近年の守姉の衰退は,本土復帰とその後の産業構造と働き方の変化,そしてそれを通じた島の家族と地域や学校の変化を反映していると考えられ,都市的環境が子育てに与える影響の大きさを示唆していた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
多良間島の守姉というアロマザリングは離島苦から生まれたもので、島民の相互扶助の一形態であり、結果として母子にほどよい隔たりを生むものであった。現状は守姉が衰退し、それといれかわるように家庭での特に父親の関与が大きくなっていた。それを促進したのが本土復帰とそれにともなう保育所の設置、核家族化などによる子育ての都市化であった。本研究で、本土復帰を含む70年に及ぶ島の家族の変化、家庭の内外の家族の現状、島外から見た島の評価などが多面的に検討できた。守姉というアロマザアリングの変化と本土化・都市化との関連が明らかになったことは、都市部における子育ての功罪を考えるうえで示唆に富むものである。
|