研究課題/領域番号 |
20H01676
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 文教大学 |
研究代表者 |
藤森 裕治 文教大学, 教育学部, 教授 (00313817)
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研究分担者 |
秋田 喜代美 学習院大学, 文学部, 教授 (00242107)
山下 直 専修大学, 国際コミュニケーション学部, 教授 (10736523)
徳井 厚子 信州大学, 学術研究院教育学系, 教授 (40225751)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2023年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2020年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
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キーワード | 言語文化 / 国際比較 / 汎用的言語能力 / 実践モデル / 保幼小中高連携 / 幼小接続教育 / 国語科教育 / 日本語教育 / 教科・領域横断 / 実践理論 / 教科横断 / 汎用型言語能力 / 幼児教育 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は保育・日本語教育・国語科教育をそれぞれ専門領域とする研究者が、互いの識見と方法論とを生かし、以下の役割分担によって課題に取り組む。 研究代表者(藤森)全体統括。保幼小及び小中の接続・連携にかかる汎用的言語能力の系統化と実践モデルの開発責任者。 幼児教育部門(秋田)幼児教育機関における言葉の教育にかかる実践等の調査研究、保幼小の接続・連携にかかる実践の効果検証。 日本語教育部門(徳井)日本語非母語話者としての幼児・児童・生徒に対する教育実践場面の取り組みについての調査研究と実践開発、効果検証等。 学校教育部門(山下)初等・中等教育機関における調査研究、学校間接続・連携の実践開発、効果検証等。
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研究実績の概要 |
【主目的】本研究の目的は、新教育課程への移行期を迎え、社会のグローバル化に対応した汎用的言語能力を言語文化の観点に基づいて措定し、これを育てるための実践理論を、幼児期から高校までの15年間にわたる言葉の教育という視座から開発して、学界・教育界・社会に発信することである。2022年度は本研究の開始3年目であり、以下の3つの部門にかかる研究が行われた。 〔幼児教育部門〕子どもの読書環境に焦点を当て、学校図書館における読書環境の充実に向けた調査研究が行われ、論文として公刊した。また、幼稚園における話し合い活動にかかるフィールドワークが行われ、幼児期のコミュニケーション活動の特徴と保育者のかかわりかたについて談話分析を行い、研究成果を国際学会にて報告した。 〔日本語教育部門〕多文化共生社会に必要なコミュニケーションとは何かという問題意識のもと、バイリンガル相談員のコミュニケーションからみえてくるものに視点を当てた調査研究が行われ、論文等で発表した。 〔学校教育部門〕3年目の研究課題の中心として、中等教育機関における実践と汎用的言語能力とのかかわりに視点を当てた研究活動が行われた。具体的には、①学習者の推敲過程の分析、②学習指導要領の理念をふまえた観点別評価のありかた研究、③汎用的言語能力の育成を視野に入れた高等学校「現代の国語」、「言語文化」のカリキュラム、④小中高校生のデジタルデバイス利用などをテーマとして探索的な研究が行われ、その成果を招待講演、学術論文等で発信した。 これら3部門の研究活動を通じ、言語文化の観点に基づく汎用的言語能力の実践理論として、①マインドセットを基軸とした資質・能力観、②4CHモデル(Choice/Challenge/Chance/Check)によるカリキュラムなどが開発された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウィルス感染症の蔓延による調査研究の遅滞が原因である。特に、予定されていた国外・国内の学校調査、及び国外の学会発表等については、いくつかの協力校からの訪問調査拒否ないし延期要請等によって不可能となり、国内の現地訪問調査が制約されてしまった。 特に、当該年度は国外の中等学校における教育実践場面を調査研究対象としていたが、現地校とのアポイントメントを取ることができず、また、感染予防への対応において非常にデリケートな配慮を要したため、多彩な実践場面への調査研究を実現するまでには至らなかった。 ただし、制約された研究環境の中にあっても2022年度は対面による実践場面の観察、学会発表、論文発表等については前年度より進展し、幼児期から高等学校期にいたるさまざまな実践場面での資料を入手することができた。
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今後の研究の推進方策 |
2023年5月8日より、新型コロナ感染症が5類に位置づけられたことから、当初の計画を取り戻す調査研究活動を推進したい。具体的には以下の通りである。 〈幼児教育部門〉保育・幼稚園教育と義務教育段階の学校教育との円滑な接続にとって、絵本読み聞かせ等を初めとする言葉の教育に求められる国・自治体レベルの取組について情報収集を行うとともに、現地での調査協力に積極的に応じてくれることが保証された茶々グループ保育園(ChaCha Children & Co.)と提携して、アクションリサーチの手法を用いた実践研究を推進する。また、初等教育への架け橋をめぐる自治体・教育機関の取り組みについて幅広い調査を行い、これに資する言語文化としての素材・教材・活動等の開発を行う。 〈日本語教育部門〉多文化共生の視点から、各地の団体、小中高等学校等における言語教育の実態と改善すべき要素を、汎用的言語能力の観点から検証する。また、汎用的言語能力の育成を視野に入れた日本語教育テキストあるいはガイドブックの編集を行い、教育界に発信する。 〈学校教育部門〉全面的な調査協力を受諾してくださった大町市立美麻小中学校、同大町北小学校に、白馬村立白馬南小学校を新たに加え、アクションリサーチの手法を用いた実践研究を行うとともに、北佐久郡御代田町立御代田南小学校における民族誌的アプローチによる調査研究で得られたデータを整理・分析し、汎用的言語能力を育成するための概念装置となる実践理論を構築する。具体的には「述語的統合」の観点から文学教育が教科・領域横断的に発揮する教育的意義の解明を試み、汎用的言語能力の実践理論を構築して学会発表・論文等で発信する。
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