研究課題/領域番号 |
20H01688
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 大阪総合保育大学 |
研究代表者 |
松岡 宏明 大阪総合保育大学, 児童保育学部, 教授 (10321184)
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研究分担者 |
大橋 功 和歌山信愛大学, 教育学部, 教授 (70268126)
萱 のり子 奈良教育大学, 美術教育講座, 教授 (70314440)
新関 伸也 東海大学, 児童教育学部, 教授 (80324557)
藤田 雅也 静岡県立大学短期大学部, 短期大学部, 教授 (80524339)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
16,640千円 (直接経費: 12,800千円、間接経費: 3,840千円)
2023年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2022年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
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キーワード | 鑑賞教育 / ルーブリック / 美術鑑賞 / 評価 / 美術鑑賞学習 / 鑑賞学習指導 |
研究開始時の研究の概要 |
本課題では、理論と実践の両側面から、目標・評価、内容、方法という三側面において挙げてきた研究成果を統合し、この間連携してきた諸外国の研究者との協働でブラッシュアップさせながら、国内の美術鑑賞学習指導の発展のためのフィードバックを行う。そして、質量ともに充実した、上記三側面が一体となった美術鑑賞学習指導体系を提案し、広く発信し、普及させる。
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研究実績の概要 |
本研究の1年目は、チームメンバーで『ルーブリックで変わる美術鑑賞学習』を上梓し、全国の研究者・実践者700名にこれを送付し、「鑑賞学習ルーブリック」活用の意義の普及を図った。 2年目には、上書を教科書とした「ルーブリックで変わる美術鑑賞学習」オンライン連続セミナーを開催し、本研究成果のさらなる普及と定着を図った(5月から12月まで毎月一回。参加者は延べ617名)。終了後、セミナーの映像記録(USBメモリー版)を100個作成し、セミナー参加が叶わなかった研究者・実践者に配布した。 3年目である本年度は、2つの研究を並行して進めてきた。 1点は、上記のセミナー参加者を中心とした全国の実践者に、ルーブリックを活用した鑑賞学習指導を実践してもらったことである(2022年6月から2023年3月まで22実践。8都道府県の小学校、中学校、高等学校、特別支援学校)。実践の際には、本研究グループメンバーが現地に出向き、授業の録画・記録を行うとともに、授業者へのスーパーバイズをその都度、おこなった。また、実践者には研究チームが用意したフォーマットに、実践した授業を指導モデルとして執筆すること依頼し、全実践者からそれを収集した。 2点目は、本研究の最終目的である、鑑賞教育体系の構築に向けて、2000年以降の日本美術教育学会、美術科教育学会及び大学美術教育学会の論文、実践報告(約200編)を、①「近年の鑑賞教育の先行研究」(57編)、②「目標・評価」(20編)、③「内容」(37編)、④「方法」(79編)、⑤「他教科などへの広がり」(4編)の分野に整理し(別途、書の鑑賞教育についても文献整理をした)、それぞれの検討に入り、2023年度にまとめに入るための基盤をつくったことである(①は藤田雅也、②は松岡宏明、③は大橋功、④は新関伸也、⑤は萱のり子が担当)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は2つの研究の柱を立て展開してきた。 1点目は、ルーブリックを活用した鑑賞学習指導を全国の実践者に実践してもらうことであった。結果的に、当初の予定よりも多い数である22実践を展開することができた(野網学氏2実践(大阪教育大学附属平野小)、高橋英理子氏(岡山大学教育学部附属小)、木村仁氏(滋賀大学教育学部附属小)、太田菜津子氏2実践(ノートルダム清心学園清心中・清心女子高)、森實祐里氏(札幌市立大倉山小)、北﨑丈士氏(滋賀県大津市立仰木中)、服部真也氏(奈良女子大学附属小)、堤祥晃氏2実践(滋賀県高島市立安曇川中)、小橋良平氏(滋賀大学教育学部附属小)、清水美羽音氏(滋賀県甲賀市立甲南中)、松本友香氏(滋賀県草津市立老上西小)、長友紀子氏(奈良教育大学附属中)、藤井美和子氏(枚方市立東香里小)、小林真由香氏(大阪府立金岡高)、大谷祥子氏(兵庫県西宮市立鳴尾北小)、福田真奈氏(滋賀県大津市立膳所小)、坂本美優氏(大阪府高槻市立阿武山中)、汪夢瑶氏(滋賀大学教育学部附属小)、五十井玲衣氏(埼玉県立入間わかくさ高等特別支援学校))。いずれの実践にも研究メンバーが出向き、授業後の振り返りを含めて、各実践者の力量向上に貢献することができた。また、年度末には、各実践者が執筆した指導モデルを収集することができた。 2点目は、本研究の最終目的である、鑑賞教育体系の構築に向けての足場を固めることであった。まずは2000年以降の日本美術教育学会、美術科教育学会及び大学美術教育学会の論文、実践報告(約200編)を、「近年の鑑賞教育の先行研究」、「目標・評価」、「内容」、「方法」、「他教科などへの広がり」の分野に整理することからはじめた。ただ、まだその整理と役割分担に留まっており、具体的な執筆は始められてはいない。 以上、総合的には、「おおむね順調に進展している」と言える。
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今後の研究の推進方策 |
2点ある。 1点目は、ルーブリックを活用した授業実践モデル22本を精査し、体裁を整え、全国の実践者に配布できるような「美術鑑賞学習指導モデル集」を作成することである。また、授業実践の映像分析や、現場教員に実践してもらって得られた知見を、研究メンバー全員が所属している日本美術教育学会を中心に広げていく。 2点目は、『美術鑑賞学習指導体系』(仮)を執筆、発刊することである(1頁800字〈横書き〉×400頁を想定)。同書の構成は、「1.近年の鑑賞教育の先行研究レビュー(藤田雅也担当)」、「2.鑑賞学習の内容(大橋功担当)」、「3.鑑賞学習の方法(新関伸也担当)、「4.鑑賞学習の目標・評価(松岡宏明担当)」、「5.鑑賞学習の広がり(萱のり子担当)」としている。研究メンバー内で綿密に連携しながら、執筆を進める。
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