研究課題/領域番号 |
20H01699
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09050:高等教育学関連
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
田中 秀明 明治大学, ガバナンス研究科, 専任教授 (40463963)
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研究分担者 |
大森 不二雄 東北大学, 高度教養教育・学生支援機構, 教授 (10363540)
杉本 和弘 東北大学, 高度教養教育・学生支援機構, 教授 (30397921)
大場 淳 広島大学, 高等教育研究開発センター, 准教授 (50335692)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
13,130千円 (直接経費: 10,100千円、間接経費: 3,030千円)
2022年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2021年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2020年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
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キーワード | 高等教育改革 / 国立大学法人制度 / ニュー・パブリック・マネジメント / 政策形成過程 / 政治・行政システム / 高等教育政策 / ニュー・パブリック・マネジメント(NPM) / 政策立案過程 / 国際比較研究 / ガバナンス / 舵取りモデル / 国立大学法人 / ニュー・パブリック・マネジメント(NPM) |
研究開始時の研究の概要 |
本研究のテーマは、「高等教育改革の軌跡」であり、リサーチ・クエスチョンの第1は、日本及び比較対象諸国において、「高等教育改革は、グローバライゼーションや国際競争といった外的な要因、大学への期待や要請の増大、政治・行政システム及び歴史的な経緯の帰結としての高等教育システムにどのように影響を受けて、どのように行われたのか、その結果はどうなっているか」である。 第2は、「昨今指摘されている国立大学法人化の諸問題はなぜ生じているのか、諸外国の高等教育改革の軌跡とどう違うのか、なぜ類似の改革が異なる結果をもたらしたのか」である。これらにより日本における国立大学法人制度を分析する。
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研究実績の概要 |
本研究の中心的な課題は、日本の他、比較対象国(イギリス・オーストラリア・オランダ・ドイツ・フランス)における近年の高等教育改革や関連政策の形成過程を、ステークホルダーの行動に着目しながら政治経済学的に分析することである。 研究のステップとしては、次の3段階を想定している。第1に、対象国の政治・行政システム及び高等教育システムについて、基本的な事実・特徴や経緯を「カントリー・プロファイル」として整理する。第2に、対諸国における高等教育改革の政策形成過程を分析する(文献などに基づく調査とインタビュー等現地調査)。第3に、対象国を横断的に比較分析することにより、リサーチ・クエスチョンに答える。 上記の3段階のうち、2021年度においては、②高等教育改革の政策過程の分析(第2段階)を計画していた。特に、高等教育政策の改革の実態を把握するために、関係機関や専門家のインタビューが不可欠であることから、比較対象国の現地調査を予定していた。 しかし、2021年度においても、新型コロナウイルス感染症が引き続き拡大していたことから、海外渡航ができなかったため、現地調査は実施できなかった。ようやく、現地調査が可能になったのは、2022年度後半となった。 他方、国内においては、新規施策としての大学ファンドと国際卓越研究大学の構想が急進展し、同政策が日本の高等教育システムとりわけ政府・大学間関係(外的ガバナンス)及び大学の内的ガバナンス(学長権限や目標管理等)に大きな影響を及ぼすものと考えられたため、2023年1月に緊急シンポジウムを開催し、国際比較を含む多角的視点から議論を深めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
「研究実績の概要」に記載したとおり、本研究は主に3つのステップを想定している。2つ目のステップである「高等教育改革の政策過程の分析」については、2021年度において、引き続き文献などによる予備的調査は実施できたものの、新型コロナウイルス感染症のため現地調査はできなかった。ようやく、研究費を繰り越した2022年度において現地調査を行った。 研究費の繰越分を含め2021年度分の研究費の支出を終えた2022年度末時点における進捗状況についてまとめると、ステップ①についてはほぼ終了する一方、ステップ②については、現地調査が再び遅れた。しかも、現地調査は2022年度の後半から年度末になったことから、そのとりまとめ作業は更に遅れることになった。そのため、3つ目のステップは未だ進捗していない状況であり、全体としては、「遅れている」状況である。
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今後の研究の推進方策 |
研究期間は当初2020~22年度であったが、新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて、現地調査はようやく2022年度に実施できた状況である。ただし、現地調査はそれだけでは不十分である。研究のステップ2が遅れているため、ステップ3が未だに着手できない状況である。こうした状況に鑑み、2022年度の研究費を2023年度へ繰り越すこととしており、2023年度において、現地調査も必要に応じて実施し、ステップ2を完成させるとともに、それを踏まえてステップ3を完成させることとしている。 推進方策の一環として、2023年度において、日本高等教育学会において、研究成果の一部を発表し、専門家からの意見を聴取することとしている。また、研究成果の出版やシンポジウムでの発表なども検討している。これらにより、研究を完了させる。
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