研究課題/領域番号 |
20H01700
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09050:高等教育学関連
|
研究機関 | 鎌倉女子大学 |
研究代表者 |
福井 文威 鎌倉女子大学, 学術研究所, 教授 (60792364)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
14,950千円 (直接経費: 11,500千円、間接経費: 3,450千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2020年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
|
キーワード | 高等教育 / 科学技術イノベーション / フィランソロピー / 寄付 / 日本社会 / 非営利組織 / 科学技術イノベーション政策 / 高等教育政策 / 科学技術 / イノベーション |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、日本人の教育研究活動に対する寄付意識が、如何なる個人の経験や属性に影響を受けているのか解明するものである。近年、先進諸国の高等教育政策や科学技術政策において大学の教育研究活動を支える寄付金の拡大が政策課題となり、それに資する理論・実証研究が進展している。一方、日本ではこの分野の研究が立ち遅れており、日本人の大学への寄付意識とその規定要因を検証するためのデータや研究が不足している状況にある。本研究では、社会調査や実験等を用いて、如何なる属性や経験を有する個人が、大学への寄付に積極的な態度を示しているのか明らかにし、日本社会に見合った寄付をめぐる政策論議の基盤を形成することを目指す。
|
研究成果の概要 |
本研究は、日本人の大学に対する寄付意識が、如何なる個人の経験や属性に影響を受けているのか解明するものである。これを明らかにするにあたって、大学への寄付経験者へのインタビュー調査、日本人の成人男女に対する調査票調査、及び、サーベイ実験を実施した。本研究プロジェクトによって、日本人の大学への寄付動機には6つのテーマがあることを示した。また、在学中の給付型奨学金の受給経験が将来の寄付行動と関連があることを実証し、「奨学金と寄付の循環構造」を提示した。この他、基本属性別の大学への寄付経験や寄付をするための条件等を明らかにした。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的独自性は、第1に、大学への寄付動機に関する日本的特質性を明らかにするにあたり、現象学的研究から6つの動機の枠組みを提示したことにある。これは、今後の非西欧圏における高等教育と寄付動機研究に寄与するものであり学術的な意義がある。第2に、先行研究で十分に考慮されてこなかった過去の在学中の経験に着目し、それらが卒業後の寄付意識に影響を及ぼす構造を実証的に検証した点にある。特に、給付型奨学金が高等教育受益者本人の費用負担を軽減する側面のみならず、将来的に寄付を通じた高等教育の社会的支出へと繋がる投資的な側面を持つ構造(給付型奨学金と寄付の循環構造)を提示した点は政策的な含意を有する。
|