研究課題/領域番号 |
20H01751
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09080:科学教育関連
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研究機関 | 釧路工業高等専門学校 (2022-2023) 東京工業高等専門学校 (2020-2021) |
研究代表者 |
大塚 友彦 釧路工業高等専門学校, その他, 校長 (80262278)
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研究分担者 |
伊澤 悟 小山工業高等専門学校, 機械工学科, 教授 (00232223)
伊藤 通子 東京都市大学, その他部局等, 教授 (00537037)
藤原 康宣 一関工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (40290689)
久池井 茂 北九州工業高等専門学校, 生産デザイン工学科, 教授 (50300653)
鈴木 慎也 東京工業高等専門学校, 一般教育科, 准教授 (50803285)
永井 翠 東京工業高等専門学校, 電子工学科, 准教授 (60591154)
芦田 和毅 長野工業高等専門学校, 情報エレクトロニクス系, 准教授 (70377612)
青木 悠祐 沼津工業高等専門学校, 電子制御工学科, 准教授 (70584259)
多羅尾 進 東京工業高等専門学校, 機械工学科, 教授 (80300515)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 10,660千円 (直接経費: 8,200千円、間接経費: 2,460千円)
2020年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
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キーワード | 卒業生キャリア調査 / 高専教育 / 社会実装力 / キャリア分析 / 科学技術教育 / 社会実装教育 / 職場ニーズ / テキストマイニング / 非認知能力 / キャリア教育 / インターンシップ / 社会実装型PBL / コンピテンシー / 人財育成 / 自己効用感 / GRIT / 質問紙調査 / 社会実装学 / 学習歴 / イノベーション人材育成 / 全国高専卒業生キャリア調査 / 社会人基礎力 / 自己効力感 |
研究開始時の研究の概要 |
我が国ではイノベーション人材育成が急務となっている。申請者らは2015年度に卒業生キャリア調査(対象3,000名)を行い、汎用的能力が卒後キャリアに大きく寄与したことを示した。更に、イノベーション実現には社会実装力という新しい能力が欠かせない。高専では7年前より社会実装教育を始め、その効果検証が切望されている。 本研究では、全国高専卒業生キャリア調査により、在学時と卒後の学習歴と社会実装力の関連性、及び卒後キャリアへの効果をエビデンスに基づき解明する。更にイノベーション人材育成モデル「社会実装学」を構築する。社会実装力とは、①個人の資質・能力、②社会や人との関係構築力、③学び方の学習力を指す。
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研究実績の概要 |
社会的な問題解決を通じた社会実装教育を掲げる高専への期待は大きくなっている。平成26年度に実施された高専卒業生キャリア調査(回答者数約3,300名)では、高専教育により身につけた汎用的能力(例:問題の本質をつかむ力、プレゼンテーション能力)が卒業後のキャリアに大きく寄与すること等が、実証的に明らかにされている。一方、急速なグローバル化や産業構造の変化により、AI・ロボット・IoT、ビックデータ等の新しい社会ニーズへの対応のため、現場で求められる知識やスキルは刻々と変化している。このため、高専卒業生の視点から継続的に高専教育を評価することには、教育内容と職場のニーズとのギャップを検証する上で意義あることと考えられる。本研究では、令和3年12月に実施した高専卒業生キャリア調査の自由記述について、テキストマイニングによる分析を行い、その全体像の可視化を試みた。 自由記述中には4455種類の語が含まれていた。自由記述中の頻出語(65回以上)を用いて共起ネットワーク分析を行い、より関連が強いと考えられる部分を線で区切った。その結果、自由記述の内容は、「社会に必要な専門知識や技術」、「英語教育」、「教養系科目」、「コミュニケーション能力などの非認知能力」「増やすべき機会」の5つの内容を含むことが想定された。ここでは「増やすべき機会」に着目して、より詳細な検討を行った。「増やす」「機会」という語が両方含まれる178文について、内容を分類した結果、キャリア教育への言及(61回)が最も多かった。この結果から、卒業生の多くは、インターンシップやOB・OGとの交流、企業を知る機会などのキャリア教育の必要性を感じていることが示唆された。また、図1では判読できなかった教養科目の内容については、特にビジネス文書作成や金融リテラシー等の経済・経営系の基礎修得等の機会も望んでいることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
高専卒業生キャリア調査の結果のうち、自由記述欄「今後,高専卒業生がさらに社会に貢献するため,授業・カリキュラム・教員指導等で改善すべき点」に対する記述をテキストマイニングの手法により分析し、教育内容と職場のニーズとの一致した項目並びに存在するギャップを明らかにすることができた。当初の仮説を裏付けるデータを得ることができたことは、大きな成果と言える。 また、社会実装教育の効果検証のための資料調査や実証実験を行うこともできた。
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今後の研究の推進方策 |
学生時代の学びを通じて得られた自己効力感(チームワークや課題発見・解決力等の汎用的な能力、社会性と情動に関するコンピテンシーなど)が卒業後に形成されるキャリア(所得、職位、本人満足度など)に与える影響を統計的手法により明らかにする。 また、社会実装教育の効果検証のための実証実験も引き続き実施する。
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