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バーチャルリアリティを活用した展望記憶トレーニングシステムの開発と効果検証

研究課題

研究課題/領域番号 20H01776
研究種目

基盤研究(B)

配分区分補助金
応募区分一般
審査区分 小区分10030:臨床心理学関連
研究機関長崎純心大学

研究代表者

三浦 佳代子  長崎純心大学, 人文学部, 准教授 (10597412)

研究分担者 福森 聡  香川大学, 創造工学部, 講師 (00756710)
大塚 貞男  京都大学, 医学研究科, 特定助教 (00816986)
高守 史子  佐賀大学, 医学部, 特任助教 (20833528)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
18,070千円 (直接経費: 13,900千円、間接経費: 4,170千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2020年度: 10,530千円 (直接経費: 8,100千円、間接経費: 2,430千円)
キーワード展望記憶 / バーチャルリアリティ / 認知トレーニング / 高次脳機能障害 / 統合失調症
研究開始時の研究の概要

展望記憶が障害されると、薬の飲み忘れや火の消し忘れ、約束の失念など、生活の様々な 場面で支障をきたし、社会機能やQOLの低下につながる。展望記憶を改善しようとする場合 には、日常生活場面に近い状況下での介入が望ましい。
本研究では、三次元空間性、リアルタイム性、自己投射性という要素を備えたVR技術を活用した展望記憶トレーニングシステムを開発し、高齢者、脳損傷患者、及び統合失調症患者を対象にその効果を検証する。国外のVRシステムを日本の文化に合わせて適切に変更し、展望記憶の想起メカニズムと想起形態を考慮した効果的なプログラムを開発することにより、VRを活用した展望記憶トレーニングの確立を目指す。

研究実績の概要

本研究課題の目的は、VR技術を活用した展望記憶トレーニング(Virtual Reality Based Prospective Memory Training: VR-PMT)システムを開発し、高齢者、脳損傷患者、及び統合失調症患者を対象にその効果を検証することである。
2020年度(繰越申請により延長して取り組んだ2021年度)は、展望記憶トレーニングシステムを開発した。
2021年度(繰越申請により延長して取り組んだ2022年度)は、開発したVR-PMTシステムの性能評価と妥当性の検討を行うため、予備介入研究を実施した。健常者10名(大学生5名:22.4±2.1歳、高齢者5名:72.4±8.0歳)を対象とし、VR-PMTを週に1回の頻度で計8回実施した。介入の効果を検討するため、トレーニングの実施前後および終了後2か月の計3時点で展望記憶検査(The Memory for Intentions Test: MIST)をはじめとする心理測定を行った。また、性能評価のため、自覚症しらべとUser Experience Questionnaire(UEQ)等を実施した。結果、自覚症調べは全カテゴリにおいて平均スコアが2.0以下であり、UEQは全項目の平均スコアがポジティブであった。VRTフェーズ全体の正答率は84.3%であり、時間ベース課題の正答率は82.7%、事象ベース課題の正答率は85.8%であった。VRTフェーズの正答率は事前に実施したMISTの総合得点と有意な正の相関を示した。以上のことから、VR-PMTシステムは展望記憶を反映した妥当なシステム構成となっていることが示唆された。また、トレーニング後の展望記憶検査の成績に有意な改善が見られ、内的な展望記憶方略の利用頻度も有意に増加した。これはVR-PMTシステムによるトレーニングによって、視覚イメージ方略を含む内的方略の利用が促進され、展望記憶の成績向上に寄与したと推測される。
2022年度(繰越申請により延長して取り組んだ2023年度)は、高次脳機能障害者と統合失調症者の介入をおこなった。当初の計画よりも人数が少ないが、データ収集が終了した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

2020年度から2021年度前半に展望記憶トレーニングシステムを開発し、2021年度中に大学生を対象としたユーザビリティ評価、および高齢者を対象とした予備介入研究をおこなう予定であった。そして2022年度より臨床群へ介入を予定していた。しかし、研究初年度、COVID-19感染拡大の影響により、開発に大幅な遅れが生じ、その後の研究協力者のリクルートも難航した。そのため、約1年遅れで研究が進んでいる。

今後の研究の推進方策

多施設のデータの統合とクリーニングを行い、分析する。そして論文としてまとめて2024年度中に投稿する。

報告書

(3件)
  • 2022 実績報告書
  • 2021 実績報告書
  • 2020 実績報告書
  • 研究成果

    (10件)

すべて 2023 2022 2021

すべて 学会発表 (10件)

  • [学会発表] バーチャルリアリティを活用した展望記憶トレーニングシステムの開発と妥当性の検討2023

    • 著者名/発表者名
      三浦佳代子,福森聡,高守史子,大塚貞男
    • 学会等名
      第47回日本神経心理学会学術集会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] バーチャルリアリティを活用した展望記憶トレーニングの効果に関する予備的検討2023

    • 著者名/発表者名
      三浦佳代子, 福森聡, 高守史子, 大塚貞男
    • 学会等名
      日本心理学会第87回大会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] バーチャルリアリティを基盤とした展望記憶トレーニング システムの開発と評価2023

    • 著者名/発表者名
      福森聡, 三浦佳代子, 高守 史子, 大塚 貞男
    • 学会等名
      日本心理学会第87回大会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] 背景課題への慣れに着目したVR 展望記憶トレーニング中の行動解析2023

    • 著者名/発表者名
      野田悠一郎,福森聡,三浦佳代子,大塚貞男
    • 学会等名
      ヒューマンインタフェースシンポジウム 2023
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] VR 展望記憶トレーニング中のユーザの行動分析-存在想起・内容想起の識別可能性の検討-2023

    • 著者名/発表者名
      安井 翔梧,福森 聡,三浦 佳代子,大塚 貞男
    • 学会等名
      ヒューマンインタフェースシンポジウム 2023
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] VR技術を用いた展望記憶トレーニングシステムの開発2023

    • 著者名/発表者名
      杉浦翔真,重松亜夢,福森聡,三浦佳代子,大塚貞男
    • 学会等名
      情報処理学会第85回大会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [学会発表] 高次脳機能障害者の展望記憶に関する主観的評価 -自己評価と家族評価による検討-2022

    • 著者名/発表者名
      三浦佳代子
    • 学会等名
      第46回日本高次脳機能障害学会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [学会発表] バーチャルリアリティを活用した 展望記憶トレーニングシステムの開発と効果検証 -若手研究者による異分野間連携研究プロジェクト-2021

    • 著者名/発表者名
      三浦佳代子, 福森聡, 大塚貞男
    • 学会等名
      日本心理学会若手の会異分野間協同懇話会
    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
  • [学会発表] VR 展望記憶トレーニングシステムにおいてバーチャルな自宅に馴染む方法の検討2021

    • 著者名/発表者名
      重松亜夢,福森聡,三浦佳代子,大塚貞男,青柳西蔵
    • 学会等名
      電気・電子・情報関係学会四国支部連合大会
    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
  • [学会発表] 統合失調症への多様な心理社会的アプローチ:心理職による実践と効果検証の試み2021

    • 著者名/発表者名
      三浦佳代子
    • 学会等名
      日本心理臨床学会第40回大会
    • 関連する報告書
      2020 実績報告書

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公開日: 2020-04-28   更新日: 2024-12-25  

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