研究課題/領域番号 |
20H01783
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10040:実験心理学関連
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
久方 瑠美 東京工業大学, 工学院, 助教 (30588950)
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研究分担者 |
村井 祐基 大阪大学, 大学院生命機能研究科, 特別研究員(SPD) (60847309)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
13,260千円 (直接経費: 10,200千円、間接経費: 3,060千円)
2022年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2020年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
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キーワード | 量知覚 / fMRI / サイズ知覚 / 時間長 / 密度順応 / EEG / 色変調 / 視覚 / 量推定 / 空間視 / 系列依存性 / 空間知覚 |
研究開始時の研究の概要 |
視覚系の主な機能は物体の空間的な位置関係をすばやく把握することであるが、視覚的な量についてWalsh(2003) は、空間・時間・数に共通する「量」という概念は共通のメカニズム(領野)で処理されるという仮説を提案した。本研究では、行動実験および磁気共鳴機能画像法(functional magnetic resonanceimaging:fMRI)による脳活動計測により、量推定と視覚処理の関係を総合的に検討する。まだ調べられていない 数・時間・空間の順応効果の存在を明らかにし、かつそれに共通する脳部位を示すことによって、より直接的に人間のマグニチュード推定の土台となる脳内表象にせまる。
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研究成果の概要 |
マグニチュード理論は、空間的・時間的な量という概念が共通の脳領野で処理されるという考えである。本研究では「量」処理が、視覚の低次処理や順応現象とどのように関係するのかを検討した。研究1では、高密度テクスチャへの順応から引き起こされるサイズ縮小知覚に関してfMRIを計測した。fMRI実験では、左右縁上回、左角回といういずれも頭頂連合野に対して有意な活動がみられた。研究2では、低次視覚特徴量に対する処理と時間長といった高次情報処理の関連性を調べ、視聴覚刺激のタイミングの差を判断する課題において、直前に観察した時間差に現在の時間順序判断が引きずられる系列依存性が位置特異的に生じることを発見した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
密度順応とサイズ知覚のfMRI実験、および低次特徴量と時間長判断の実験の結果は、ともに密度順応による知覚サイズ変調や、視覚低次特徴量の変化による時間長の変化が、刺激の低次特徴量に依存しない高次情報処理に依拠するものであることを示している。先行研究では、線分の長さや刺激の呈示時間の長さ、数の判断課題時に頭頂葉、特に頭頂間溝が活動することが知られている。輝度や色など低次特徴量で定義される時間長でも、密度など2次特徴量で定義されうる空間サイズでも、視覚野を超えた高次処理が関与するという本研究の成果は、概念的な「量」の推定が脳内の同一箇所で行われているというマグニチュード理論の知見に一致している。
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