研究課題/領域番号 |
20H01784
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10040:実験心理学関連
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
佐藤 徳 富山大学, 学術研究部人文科学系, 教授 (00422626)
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研究分担者 |
坪見 博之 富山大学, 学術研究部人文科学系, 准教授 (70447986)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
14,430千円 (直接経費: 11,100千円、間接経費: 3,330千円)
2022年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2021年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2020年度: 7,150千円 (直接経費: 5,500千円、間接経費: 1,650千円)
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キーワード | 行為 / 自己主体感 / 距離知覚 / 随伴性 / 行為主体感 / 残像 / 実験心理学 / 空間知覚 / 行為と知覚 / 身体化認知 / 自己運動 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、3年間で、次の2点を明らかにする。①随意的行為により知覚された距離が縮むか、②その脳内プロセスは何か、の2点である。①は行動実験により、②は事象関連電位ならびに時間周波数解析を用いて検討する。
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研究成果の概要 |
本研究では、距離知覚に影響を及ぼす要因を検討した。その結果、特に対人間の距離知覚においては、自分の行為に対する応答性の効果とともに、自分が働きかけずとも相手から働きかけがある場合に、相手との距離が近く感じられることが示された。自分の行為によって結果が得られる確率が同一の場合、自分が行為せずともその結果が得られるとすれば、自己の行為と結果の随伴性は低くなる。同様な結果は、ポジティブな対象では得られたが、ネガティブな対象では得られなかった。これらの結果は、行為と結果の随伴性そのものというよりも、報酬の得られやすさが距離知覚を調整する可能性を示唆する。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
当初は行為と結果の随伴性により距離知覚が調整されると予測していた。確かに、行為に対してより高頻度で結果が生じ、行為によって結果が予測しやすいときには距離は近くに感じられていた。しかし、対象が報酬であれば、行為せずとも得られる方がより近くに感じられるという予測に反する結果も得られた。この場合、随伴性は低くなるが、報酬を得るのに必要なエネルギーは少なくて済む。本研究の結果は、目標の達成のための行為の遂行にどの程度エネルギーが必要とされるかの予測によって距離知覚が影響されることを示唆し、予測的なエネルギー調整の観点から空間知覚を再考することを示唆する点で重要な学術的・社会的な意義を持つと考えられる。
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