研究課題/領域番号 |
20H01788
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10040:実験心理学関連
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研究機関 | 日本女子大学 |
研究代表者 |
竹内 龍人 日本女子大学, 人間社会学部, 教授 (50396165)
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研究分担者 |
吉本 早苗 広島大学, 人間社会科学研究科(総), 助教 (80773407)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
16,510千円 (直接経費: 12,700千円、間接経費: 3,810千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 8,190千円 (直接経費: 6,300千円、間接経費: 1,890千円)
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キーワード | 視野安定性 / 仮想現実空間 / 視覚探索 / 環境座標 / 網膜座標 / 視覚 / 身体 / 錯視 / 歩行 / 視野安定 / 身体動作 / 恒常性 / バーチャルリアリティ / 身体運動 / 心理物理学 / 環境座標表現 / 身体と環境 |
研究開始時の研究の概要 |
眼や頭、体の動きにより網膜像は時空間的に断続するにも関わらず、世界(視野)は安定して感じられるという直観に反する事実は、古今東西の賢人たちの興味を引いてきた。光学の父と呼ばれるイスラムの学者アルハゼンは11世紀に、解かれるべき問題として視野安定性に言及している。視野安定性達成の過程において、観察者の視点に依存しない環境座標表現が脳内で構築されると考えられるが、その機能的意義は明らかではない。本研究では、環境座標表現の構築が身体と環境とのスムーズなインタラクションを可能にするという仮説を実験的に検証すると共に、視野安定性を高める技術や身体移動をサポートする技術に関する知見を得ることを目的とする。
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研究成果の概要 |
環境座標表現を構築する遅いシステムが環境内の空間認識精度向上をもたらし、身体と環境とのスムースなインタラクションを可能にするという仮説を実験的に検証することを目的とした。心理実験を仮想現実空間内で行い、実験参加者は実験中に自由な身体運動(目や体の動き)を行った。視覚探索課題、大きさ判断課題、大きさの恒常性課題を行ったところ、(1)身体運動により空間認識の精度が向上する、(2)歩行を含む身体運動条件では、静止条件と比較して空間認識の様式が質的に変容する、という2点が明らかになった。これらの知見は、視野安定性の土台となる環境座標表現構築の機序や身体運動との関係性を解明する上で有用な手がかりになる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では仮想現実空間において3つの実験(視覚探索、大きさ/長さ判断)を行い、2次元平面上における類似課題とは異なる心理学的特性を見いだすと共に、身体運動の重要性を明らかにした。そのために本研究結果は、いまだ心理学的、神経生理学的な研究の進展が遅れている環境座標表現構築の機序解明に向けた有用な手がかりになるという学術的意義がある。またその社会的意義は、空間デザインに対する指針を明示したことにある。つまり、環境、居住空間、あるいは交通網等における空間デザインでは、利用者自身の身体運動に基づいて、その脳内に適切な環境座標表現が構築できるようにサポートすることが望ましいデザイン指針となる。
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