研究課題/領域番号 |
20H01796
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分11010:代数学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
玉川 安騎男 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (00243105)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
14,300千円 (直接経費: 11,000千円、間接経費: 3,300千円)
2023年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | 代数学 / 数論 / 数論幾何学 / 基本群 / ガロア表現 / 代数曲線 / アーベル多様体 / 国際共同研究 米国:フランス:英国 / 国際研究者交流 米国:フランス:英国 |
研究開始時の研究の概要 |
代数多様体の数論的基本群に関する数論幾何学の高次元化を進め、数論的基本群の群論的及び数論幾何学的構造とそれらの相互関係を解明する、というのが本研究課題の核心である。そのために、特に6つの具体的重要問題(アーベル多様体の数論的有限性、数論的基本群の線形表現の普遍下界性、アーベル多様体族の共通同種因子、可解遠アーベル幾何、正標数代数曲線の基本群のモジュライ依存性、アーベル多様体の離散的Shafarevich-Tate群)とその相互関係の究明を、海外共同研究者3名との3つの国際共同研究を通じて目指す。
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研究実績の概要 |
研究実施計画に記載の通り、海外研究協力者のMohamed Saidi氏(3月~次年度6月)の招へいを実現できたが、Christopher Rasmussen氏、Anna Cadoret氏については、新型コロナウイルスの影響で年度中の招へいは実現できなかった。(次年度の繰越期間中にはSaidi氏、Cadoret氏、Rasmussen氏の(他経費による)招へいを実現できた。)このため、主として電子メール、電子会議システム、ファイル共有クラウドなどを利用して3名との共同研究を行い、研究課題を遂行した。また、本補助金繰越使用により、Yves Andre氏(令和5年3月)の招へい、および研究代表者の宮城出張(令和4年11月)、愛知出張(令和4年12月)、東京出張(令和5年3月)を実現し、整数論・数論幾何における有意義な情報収集・研究討論・成果発表を集中的に進めることができた。また、本補助金の使用により、高尾尚武氏を研究員として雇用し、代数多様体の数論的基本群に関する数論幾何学の研究を補助してもらった。
具体的な研究実績としては、次のような成果をあげることができた。 1. Rasmussen氏との共同研究では、「研究の目的」R、C1に関連して、楕円曲線に付随するガロア表現の跡の像に関する普遍下界存在予想についての結果を改良した。 2. Cadoret氏との共同研究では、「研究の目的」C1に関連して、l進、p進、超積の各係数に対する淡中圏論的Cebotarev密度定理についての結果を改良した。また、「研究の目的」C2に関連して、共通同種因子を持つアーベル多様体の族について研究し、Rossler-Szamuelyの予想についての結果を改良した。 3. Saidi氏との共同研究では、「研究の目的」S1に関連して、有限生成体のm次可解遠アーベル幾何についての結果を改良した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルスの影響で海外研究協力者の招へいが研究実施計画の予定通り実現しなかったため、電子メール、電子会議システム、ファイル共有クラウドなどの利用により共同研究を進め、懸案だった成果の整理・発表について、論文の執筆・投稿・修正・再投稿・出版・口頭発表などをおおむね順調に進めることができた。一方、招へいによって対面で研究協力者との研究打合せ・研究討論をダイナミックに進めることが限定的にしかできなかったため、新しいアイデアの獲得や新しい研究の展開という意味では、残念ながら物足りなかった。
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今後の研究の推進方策 |
研究実施計画がやや遅れているのは新型コロナウイルスの影響によるものであり、基本的には当初研究実施計画のまま進めていけばよいと考えている。研究目的に沿って新しい研究結果を得ることはもちろん、次年度も、成果の整理・発表についても引き続き大きな力を入れたい。本研究計画は3名の海外研究協力者との3つの共同研究を中核としているが、今後も3つの共同研究のバランスに留意するとともに、3つの共同研究のいずれも、もとより数論的基本群を中心的対象とするものであることに立ち返り、諸問題の相互作用をいかすという視点に立って、研究を推進していきたいと考えている。
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