研究課題/領域番号 |
20H01806
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分12010:基礎解析学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
小沢 登高 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (60323466)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,030千円 (直接経費: 13,100千円、間接経費: 3,930千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 10,400千円 (直接経費: 8,000千円、間接経費: 2,400千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 解析的群論 / 離散群 / 作用素環論 / 関数解析 / 関数解析的群論 / Kazhdanの性質 / 群論 / ランダムウォーク / 函数解析 / 離散群論 / Banach空間論 |
研究開始時の研究の概要 |
作用素環論は量子情報理論や場の量子論を始めとする数理物理学,指数定理を介した幾何学,群論,力学系理論,エルゴード理論などと繋がりのある広い分野である.本研究計画では,研究代表個人による研究に合わせて,研究代表が組織委員の幹事を務める京都大学数理解析研究所の2021 年度訪問滞在型研究「Theory of operator algebras and its applications」による作用素環論の包括的研究を目指す.そのため複数の国際研究集会を開催するほか,その前後の期間に多数の研究者を招へいして,近年及び今後の作用素環論の動向について討議する.
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研究成果の概要 |
従順性とKazhdanの性質の2つは解析的群論における最も重要な概念である。作用素環に対する群作用の従順性には幾つかのもっともらしい定義が提案されてきたが、鈴木悠平氏との共同研究でそれらがすべて同値であることを示し、応用を与えた。有限生成環 R の基本行列群 EL_d(R) がKazhdanの性質を持つというのは基本定理のひとつである。この定理を非単位的な有限生成環に一般化することの成功した。粗距離空間上の作用素で有限伝播的作用素で近似できるものは擬局所的であるが、その逆も成り立つかというのは四半世紀に亘る未解決問題であった。本研究計画では反例を構成することで、この問題に決着をつけた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
群作用の従順性は群作用の研究において欠かすことのできない道具である。この理論を整備し、新たな例を与えた鈴木氏との共同研究成果には高い学術的価値がある。基本行列群は重要な研究対象であるが、無数の基本行列群を一斉に扱う際に非単位的な環を扱う必要が出てくる。環が非単位的になることにより、大きな技術的問題が生じるが、それを克服する初めての手法を見出したことの意義は大きい。近似的有限伝播性と擬局所性が同値であるか否かは粗距離空間上の作用素論における最重要未解決問題のひとつであった。確率論的手法による反例の構成は未解決問題を解決するのみならず、さらなる研究領域を切り開く重要な学術的進展である。
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