研究課題/領域番号 |
20H01813
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分12020:数理解析学関連
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
長澤 壯之 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (70202223)
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研究分担者 |
矢崎 成俊 明治大学, 理工学部, 専任教授 (00323874)
仙葉 隆 福岡大学, 理学部, 教授 (30196985)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2023年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2022年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2020年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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キーワード | 非局所曲率流 / 爆発解 / 爆発時刻 / 爆発レート / 解の爆発 / 曲率流 / メビウス・エネルギー / 勾配流 / 等周比 |
研究開始時の研究の概要 |
結び目のエネルギーの一つであるメビウス・エネルギーについて未解決であるKusner-Sullivan予想に発展方程式の手法で解明に迫る。予想は、「結び目型が合成の場合、その結び目型内にメビウス・エネルギーの最小元は存在しない。」というものである。これが正しければ、対応する勾配流は特異挙動を起こす。想定される特異挙動は有限時刻爆発であり、曲率が有限個の点で無限大に発散する。簡易化したモデルとして非局所曲率流を解析し、有限時刻爆発のメカニズムを明らかにする。その結果を、従来のメビウス・エネルギーに関する研究と融合することで、Kusner-Sullivan予想の解明の足掛かりをつかむ。
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研究実績の概要 |
本研究では、平面閉曲線に対する非局所項を持つ曲率流の漸近解析を目的としている。代表者により、一昨年度に、解が有限時刻爆発するための十分条件、爆発時刻の上からの評価、爆発レートの導出を行った。昨年度は、爆発時刻の下からの評価と爆発レートの改良を、初期曲線に凸性を仮定して行った。これは、凸性を仮定せずに示すべきものであると考え、成果発表は今年度は見送った。今年度は、昨年度の成果を初期曲線は凸とは限らない場合に拡張することに成功し、学会において成果を公表した。加えて分担者により、走化性方程式の解の爆発現象に関する成果、ヘレ-ショウ方程式の数値解析に関する成果を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
曲率流に関して、爆発解の研究は多々あるが、多くは爆発する事を仮定して漸近解析を行っている。実際、爆発を起こす初期曲線は存在するが、どのような場合に爆発するかその条件を与えた研究は見当たらない。また爆発の様子も時刻 T で爆発するとしてその近傍で漸近解析がほとんどである。爆発時刻は初期曲線によって決まるはずであるが、どれがどのように決まるかは明らかになっていないと思われる。これまでの本研究で場揮時刻を初期曲線から決まる量で上下から評価を与える事が出来た。このような成果は、代表者および分担者の知る限りでは存在しない。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに、爆発時刻の評価について、上からの評価(2020年度)、初期曲線が凸の場合の下からの評価(2021年度)、初期曲線に凸性を仮定しない場合の下からの評価(2022年度)を得た。上からの評価と下からの評価については乖離がある。これは、2種ある爆発解を区別なく評価したためである。状況から判断すると、上からの評価は第1種爆発解のもの、下からの評価は第2種爆発解のものを捉えていると思われる。それを明確にすること、あるいは初期曲線の形状をある程度していして、爆発解の種類を限定して上下からのよりよい評価を得ることが目標である。
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