研究課題/領域番号 |
20H01818
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分12030:数学基礎関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
城本 啓介 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 教授 (00343666)
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研究分担者 |
籾原 幸二 熊本大学, 大学院先端科学研究部(理), 准教授 (70613305)
平石 秀史 日本大学, 理工学部, 准教授 (70795335)
丸田 辰哉 大阪公立大学, 大学院理学研究科, 教授 (80239152)
千葉 周也 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 教授 (80579764)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
13,650千円 (直接経費: 10,500千円、間接経費: 3,150千円)
2023年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2020年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
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キーワード | マトロイド理論 / 代数的符号理論 / グラフ理論 / 有限幾何 / 代数的組合せ論 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究においては,「与えられた有限体上の列ベクトル集合と排反である部分空間の最大次元を決定する」というマトロイド理論における古典的問題に対して,マトロイドの数理構造を考察するのみでなく,代数的符号理論,有限幾何,グラフ理論および代数的組合せ論などの多方面の分野から複合的な視点で研究を実施する.その上で,上記問題に関する上下限値の導出や最適な組合せ構造の解析のみならず,工学系分野への応用を目指す.
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研究実績の概要 |
研究期間の2年目における研究基盤づくりを目的として,昨年度に引き続き4つの課題((1) 臨界指数の上限値の考察,(2) 接ブロックマトロイドの構成と分類,(3) 彩色数によるグラフ・符号の分類,(4) 階数距離符号での臨界問題の考察)においては主に計算機による豊富な具体例の作成およびその解析に取り組んだ.当該年度における課題ごとの具体的な研究成果は以下の通りである. (1)前年度に実施した臨界指数の上限値に関する計算データをもとに議論を進め,極小構造から各次元におけるブロッキング集合の存在状況を把握し,定式化に向けた準備が整った. (2)接ブロックマトロイドの構成および分類に関する研究を実施するため,計算限界を考慮して,位数5以下の体上の符号長40以下の具体的な符号を計算機上で構成し,それぞれが接ブロックになっているかを検証するプログラムを作成・実行した.その結果,各符号の特徴付けが少しずつ明確になってきた. (3)彩色数が2の臨界指数べき乗となるグラフ・符号の分類を実施するため,前年度に実施した位数10までのグラフの彩色数と臨界指数に関する計算データをもとに一般化への議論を進め,等号を満たすグラフと符号の構造の特徴付けをおこなった. (4)階数距離符号での臨界問題を考察するため,階数距離符号に対応したマトロイド構造であるq-ポリマトロイドに対して,特性多項式を定義し,現時点では条件付きではあるが臨界定理の一般化となる定理を証明した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究期間内の2年目と言うことで,当初の計画通り,初年度に収集した計算データを用いて,基礎理論の考察をおこない,目標としていたいくつかの結果を得られていることから,おおむね計画通りに進んでいると判断した.
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今後の研究の推進方策 |
当該年度に取り組んだ研究課題(1)と(2)の基礎理論を発展させて目標としている結果に近づける他、研究課題(3)については初年度に収集した計算データの解析を次年度以降は理論的に考察することで一般理論の構成をおこなう予定である.また,研究課題(4)については,本年度に得られた臨界定理を用いて,臨界指数の上限界式を証明する予定である.
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