研究課題/領域番号 |
20H01839
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13020:半導体、光物性および原子物理関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
生田 力三 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 准教授 (90626475)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,940千円 (直接経費: 13,800千円、間接経費: 4,140千円)
2022年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2020年度: 8,580千円 (直接経費: 6,600千円、間接経費: 1,980千円)
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キーワード | 量子情報 / 量子インターネット / 量子周波数コム / 量子周波数変換 / 非線形光学 / 導波路共振器 / 波長分割多重 / 光量子演算 / 量子通信 / 周波数変換 / 光ピンセット / パラメトリック下方変換 / 量子エレクトロニクス / 量子波長変換 |
研究開始時の研究の概要 |
光子間の非線形相互作用は通常極めて小さい。非線形光学効果増強の常套手段として光共振器の利用が考えられるが、共振器には許容する光の帯域を著しく制限する効果もあるため、様々な周波数特性の入力光子を想定するとき、全ての光子を強く閉じ込めるのが良いとは限らない。本研究は、狙いの非線形光学効果に応じて共振器の閉じ込め強さを波長毎に適切に設計することで、 高効率かつ新奇な非線形量子操作・制御技術の実現を目的とする。本研究は光周波数軸上の大自由度量子操作への展開が期待できる他、既存の光通信技術とも相性が良いため、こうした技術を併用することで高集積かつ高精度なスケーラブル光量子情報処理の基盤技術となり得る。
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研究成果の概要 |
光子間の非線形相互作用は光量子情報処理にとって有用であるがその相互作用は極めて小さい。非線形性の増強は光共振器により可能であるが、共振器には許容する光の帯域を著しく制限する効果もあるため、用途毎に光共振器を適切に設計することが重要である。本研究では、2次の非線形光学において関与する光のうちの1本のみを閉じ込める独自構成の単共鳴型非線形光学を用いた新奇な量子制御技術を探求した。従来より遥かに大規模な周波数多重度をもつ偏光エンタングル光子対の生成と配送、周波数軸上の任意サイトを精密操作する光周波数ピンセットの実証、量子周波数コムを用いた量子計算の提案など、大規模光量子情報処理の基盤技術を確立した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、異なる周波数モードの重ね合わせである量子周波数コムの生成や制御技術の開拓を行った。周波数自由度が、人類が最も精密に測定できる物理量であること、大規模ヒルベルト空間へ展開できること、既存の光周波数多重技術と親和性が高いこと、など潜在的に多数のメリットをもつことは知られていたが、本研究で実証した大規模な量子周波数コムの生成・配送や周波数ピンセットといった精密周波数制御の開発はこうしたメリットを活かした光量子情報処理の可能性を後押しするものであり、大規模化に向けた基盤技術となる。また、実験に用いた単共鳴型非線形光学は様々な用途に用いることができ、さらなる新奇量子制御への発展が期待できる。
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