研究課題/領域番号 |
20H01844
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13020:半導体、光物性および原子物理関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022) 大阪府立大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
石井 悠衣 大阪公立大学, 大学院工学研究科, 准教授 (50708013)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,940千円 (直接経費: 13,800千円、間接経費: 4,140千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 8,190千円 (直接経費: 6,300千円、間接経費: 1,890千円)
2020年度: 7,800千円 (直接経費: 6,000千円、間接経費: 1,800千円)
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キーワード | 構造量子臨界点 / ソフトモード / ソフトフォノン / フォノン / 構造相転移 / 量子臨界点 / 強誘電体 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、(a)BaAl2O4間接型強誘電体が示す強誘電的揺らぎに起因した、新奇フォノン物性を開拓するとともに、(b)非弾性X線散乱、非弾性中性子散乱、PDF解析などの散乱手法を用いて、この強誘電的な揺らぎに起因したdisorder状態での格子ダイナミクスを解明する。これに加え、(c)直接型・間接型強誘電体それぞれに対し、強誘電性の抑制に伴う物性変化を系統的に調べることで、強誘電体の量子物性の開拓とそのミクロスコピックな解明を行い、「強誘電的揺らぎがもたらす物理」の学理基盤を築く。
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研究成果の概要 |
本研究では、音響ソフトモードに起因する構造相転移を抑制した構造量子臨界点付近において、結晶の周期性と非晶質のランダムネスを併せ持つ「副格子ガラス状態」が実現していることを見出した。この特殊な状態では、明らかに結晶質固体であるにもかかわらず、過剰格子比熱、低温格子比熱のT-linear項、熱伝導率プラトーなど、非晶質固体で一般に見られる熱的特性を示すことが分かった。またこの副格子ガラスの原子振動状態は、非晶質固体が示す原子振動状態と、特徴が一致していることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
量子臨界点の研究はこれまで磁気秩序などスピンのかかわる秩序相を対象として発展し、それに隣接して現れる新奇量子相の研究は、今日に至るまで物性物理学の一大分野を築いている。しかしながら、スピンと並びフォノンも固体中の基本的な量子の1つであるにもかかわらず、フォノンが主役となって現れる量子臨界点の研究はほとんど進んで来なかった。本研究で得られた成果は、従来のスピン主体の量子臨界研究をフォノン系に展開するための足がかりとなると期待できる。
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