研究課題/領域番号 |
20H01846
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13020:半導体、光物性および原子物理関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
WENG QIANCHUN (翁銭春) 国立研究開発法人理化学研究所, 開拓研究本部, 研究員 (20835277)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
18,460千円 (直接経費: 14,200千円、間接経費: 4,260千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2020年度: 14,170千円 (直接経費: 10,900千円、間接経費: 3,270千円)
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キーワード | ナノ熱測定 / テラヘルツ検出 / 走査プローブ顕微鏡 / 近接場顕微鏡 / ナノ熱計測 / エネルギー散逸 / 電子温度 / 格子温度 / エバネセント波 / テラヘルツ波 / ナノサーモメトリー |
研究開始時の研究の概要 |
様々な新規機能素子開発および新奇な基礎的物性現象解明のためには、電子系の持つエネルギーの流れをナノスケールで明らかにすることが重要である。本研究では、(i)電子系と格子系(フォノン)双方の局所温度場を独立に計測してマッピングし、そのことで電子-格子間のエネルギー変換のダイナミクスをナノスケールで明らかにする新しい計測装置を開発し、(ii)開発した計測装置を1D/2D系・相転移量子系・原子/分子素子などの材料システムの非平衡現象の研究に適応することで、ナノスケール領域での電子間相互作用・電子-フォノン相互作用・格子間相互作用によるエネルギー流を伴う非平衡現象のダイナミクスを明らかにする。
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研究成果の概要 |
様々な新規機能素子開発および新奇な基礎的物性現象解明のためには、電子系の持つエネルギーの流れをナノスケールで明らかにすることが重要である。しかし従来、測定上の制約でその解明は困難だった。本研究では、"走査ノイズ顕微鏡(SNoiM)"と呼ばれる新しい低温走査プローブ顕微鏡を開発し、非平衡電子デバイスにおける電子温度と格子温度をナノスケールで測定することができた。GaAs/AlGaAsナノデバイスに対して、電子温度分布と格子温度分布を直接可視化した。その結果から非平衡電子系からフォノン系へのエネルギー散逸がホットフォノンボトルネック効果によって抑制されること明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
基礎物性研究における新規現象追求と、素子開発における微細化・高機能化の要請から、電子系による熱発生をナノ領域で計測する必要性が高まっているが、それを可能にする測定手段は今まで存在しなかった。本研究では、局所的温度を可視化して電子系の運動をエネルギーの流れを含めてナノスケールで画像化することで、その要求を満たす現在唯一の測定技術である。基礎研究だけでなく産業界における半導体能動素子の製造・開発・評価の現場でも役立つ顕微鏡に発展させる。半導体分野に関してはPost More時代の指針を与えることが期待されるとともに、さらに新たな応用分野として、光触媒材料、電池材料への応用が有望と考えられる。
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