研究課題/領域番号 |
20H01850
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13030:磁性、超伝導および強相関系関連
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研究機関 | 国立研究開発法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
山地 洋平 国立研究開発法人物質・材料研究機構, エネルギー・環境材料研究拠点, 主任研究員 (00649428)
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研究分担者 |
吉見 一慶 東京大学, 物性研究所, 特任研究員 (10586910)
田村 亮 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点, 主幹研究員 (20636998)
大串 研也 東北大学, 理学研究科, 教授 (30455331)
三澤 貴宏 早稲田大学, 理工学術院, 主任研究員(研究院准教授) (10582687)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2022年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2020年度: 7,410千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 1,710千円)
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キーワード | 量子スピン液体 / 機械学習 / ルテニウムハロゲン化物 / ベイズ最適化 / 強相関電子系 / トポロジカル物質 / ベイズ推定 |
研究開始時の研究の概要 |
実験・理論・計算科学・データ科学を統合することによって有効ハミルトニアンの構成方法の革新を目指す。研究代表者らが開発してきた独自の『量子多体系シミュレータHΦ』を中核に、理論・第一原理電子状態計算に基づく有効ハミルトニアンと物理量予測、実際の実験データから得られる情報をベイズ推定の枠組みによって統合することで、強相関物質の低エネルギー有効ハミルトニアンの高精度な推定を実現する。さらに、本研究で開発した有効ハミルトニアン推定方法を、絶対零度においても自発的対称性の破れを示さない量子スピン液体相の候補物質群に適用し、量子スピン液体を実現する物質設計指針の抽出を目指す。
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研究成果の概要 |
磁化曲線の実験データと量子物質シミュレータHΦ、ベイズ最適化プログラムPHYSBOを用い、Ruハロゲン化物の有効ハミルトニアンHの決定を進めた。またキタエフ物質の物質合成と物性測定を進め、結晶構造・磁気構造・磁化率・磁気輸送係数・ラマン分光学スペクトルなどの実験データを収集した。これらのデータに基づき、α-RuCl3, RuBr3, およびRuI3の第一原理計算との比較を進め、混晶系におけるモット転移の機構を提案した。これらの成果により、量子スピン液体探索に向けた物質空間が拡張された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
磁性や超伝導に代表される固体中の低エネルギー電子物性を理解する上で重要な役割を果たすのは、シュレディンガー方程式に現れる裸の電子質量や真空中のクーロン相互作用ではなく、結晶格子や高エネルギーからの影響を繰り込んだ有効質量や有効相互作用、ひいてはそれらによって特徴付けられる低エネルギー有効ハミルトニアンである。また、有効ハミルトニアンの空間の中で現実物質を位置付けることで、所望の物性を示す物質へ近づくための指針を得ることできる。本研究で得られた実験データから有効ハミルトニアンを構成する手法は、従来の第一原理計算が困難な量子物質の理解と物質設計を推進する上で重要な役割を果たすことが期待される。
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