研究課題/領域番号 |
20H01866
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13030:磁性、超伝導および強相関系関連
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研究機関 | 分子科学研究所 (2021-2022) 国立研究開発法人理化学研究所 (2020) |
研究代表者 |
佐藤 拓朗 分子科学研究所, 協奏分子システム研究センター, 助教 (60803749)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
18,460千円 (直接経費: 14,200千円、間接経費: 4,260千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2020年度: 14,170千円 (直接経費: 10,900千円、間接経費: 3,270千円)
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キーワード | 磁気スキルミオン / ノイズ測定 / 非平衡相転移 / モードロック共鳴 / 電流誘起相変換 / スキルミオン / 電流制御 / トポロジカルホール / 輸送特性 / 電流誘起相転移 / トポロジカルホール抵抗 / 非平衡 / ノードロック共鳴 / 磁気力顕微鏡 |
研究開始時の研究の概要 |
磁気スキルミオンと呼ばれる渦状のスピン構造が発見されて以来、スキルミオンの結晶・液体・ガラスといった様々な熱平衡相が理論的に提案され、それらの探索が数多く行われてきた。しかし、熱平衡相の枠組みに限定されていた従来の探索では、現時点の観測例はスキルミオン結晶のみに留まっている。そこで本研究では、平衡状態から電流駆動下という非平衡状態へと探索の舞台を拡張し、さらなる新奇スキルミオン相の開拓を試みる。電気抵抗揺らぎ測定と磁気力顕微鏡を駆使して、スキルミオン運動の時間相関・空間相関を評価することで、未知のスキルミオン非平衡相を実証し、非平衡相転移の新たな舞台としての学術的地位の確立を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究は、磁気スキルミオンを対象にして、平衡状態から電流駆動下の非平衡状態へと探索の舞台を拡張することで、互いに強く相関するスキルミオンが示す新奇相の開拓を目指すものであった。主な成果は、(1)電流駆動スキルミオンが形成する動的結晶相における非平衡干渉効果(モードロック共鳴)の観測、(2)電流誘起スキルミオン-非スキルミオン相変換現象の発見、の2点である。 いずれも平衡相に限定された研究では決して見出せなかった非平衡相固有の現象であり、本研究で基軸にした着眼点の有用性を強く支持している。電流を制御因子にしたスキルミオン非平衡相の開拓において、研究当初の予想を上回る大きな成果が得られたと言える。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究課題で得られた成果は、平衡相においては観測しえない、電流駆動された非平衡相固有の現象である。この新奇物性探索の観点は、決してスキルミオン相に限定されるわけではなく、駆動された粒子系や、非平衡電子系一般に適用可能だと考えられるため、その波及効果は大きい。また近年、電流を制御パラメータにした相制御が盛んに議論されているが、現状の実験結果においては、ジュール熱や試料の不均一性といった外因的影響が無視できず、理論との対応付けが困難であった。本研究の成果(2)は、真に量子スピン系固有の応答によるものであるため、電流誘起相変換一般のモデル現象として機能することが期待される。
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