研究課題
基盤研究(B)
磁気リコネクションの物理は、電子スケールの微小領域における異常拡散とイオンスケールの磁場・プラズマエネルギー変換過程を理解する必要がある。本研究では、レーザー生成プラズマ中で磁気リコネクション駆動する。プラズマ発光計測や干渉計測でイオンスケールのプラズマ挙動を、陽子ビームを用いてリコネクション磁場を可視化し、磁場拡散領域周辺の磁場を計測する。新たに開発する二次元トムソン散乱計測を用いて磁場拡散領域と、その上流・下流のプラズマを局所的に計測することで、リコネクション率とプラズマ加熱・加速との関係を明らかにする。
本研究では、レーザー生成プラズマ中で磁気リコネクションを駆動し、プラズマ発光計測で磁化プラズマ挙動の膨張と衝突の様子を、二方向のレーザートムソン散乱法を用いて電子・イオンの速度分布関数を計測することで、リコネクション率とプラズマ加熱・加速との関係を明らかにする。2023年度は、薄膜へのレーザー照射点を変更することで、磁気リコネクションを引き起こす反平行磁場と上流のプラズマを変えることで、リコネクション率や加熱・加速にどう影響するのかを検証した。その結果、昨年度論文発表した手法を用いてリコネクション率を評価したところ、上流に依存せず、非常に速いリコネクション率R~0.1を得た。これは無衝突プラズマにおける磁気リコネクションにおいて理論的に予想される速いリコネクション率を示している。また、計測系を充実させるため、これまでプラズマ生成に用いてきた大型レーザーである激光を計測用レーザーとして用いることで十分なエネルギーを確保して、レーザートムソン散乱の電子項の計測に成功した。今後は、これまでのNd:YAGを用いたイオン項計測と激光を用いた電子項計測を併用することで、イオン、電子両方の速度分布を得ることが可能になる。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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