研究課題/領域番号 |
20H01897
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分15010:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する理論
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
濱口 幸一 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 准教授 (80431899)
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研究分担者 |
永田 夏海 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 助教 (60794328)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2023年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2022年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2021年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2020年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | 暗黒物質 / 中性子星 / 中性子星表面温度 / 中性子星状態方程式 / 超新星 / アクシオン |
研究開始時の研究の概要 |
暗黒物質の正体は何か,そしてそれを如何にして検証するかという問題は,現在の素粒子論・宇宙論 における最重要課題の一つである。この問題を解決するための新たな戦略として,本研究では,中性子星の将来観測を通じて暗黒物質の兆候を捉える手法を考える。この中性子星を用いた暗黒物質探索手法がどのような暗黒物質候補に対して有用であるかを明らかにした上で,将来観測の結果を用いて暗黒物質模型を検証することを目標とする。具体的には,A. 中性子星表面温度および B. 中性子星状態方程式に対し (a) WIMP 暗黒物質,(b) 軽い暗黒物質,(c) 非対称暗黒物質が与える影響を研究する。
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研究実績の概要 |
濱口、永田が阿部(博士研究員)と共に執筆した、アクシオン・原子の逆Primakoff散乱過程の理論計算を再検討した論文が査読つき雑誌に掲載された。[Phys. Lett. B815, 136174 (2021)] 従来の計算では原子内の静電場として湯川型ポテンシャルが仮定されていたが、相対論的ハートリー・フォック法に基づく原子内電子分布を用いて同過程を再計算した結果、O(1) keVのエネルギーを持つアクシオンについて従来よりも一桁以上小さい断面積が得られることが明らかになった。この結果はXENON実験による低エネルギー電子反跳による新物理探索の論文 [Phys.Rev.Lett. 129 (2022) 161805] にも用いられている。 また、本科研費での雇用にによる博士研究員Maura Ramirez-Quezada氏が2021年7月に着任し、中性子星の表面温度測定を用いた暗黒物質探索に関する理論研究について議論を始めた。特に、ミューオン磁気双極子モーメントの実験値と理論値のずれを説明可能な暗黒物質模型に注目し、それらの暗黒物質候補を中性子星表面温度観測によって探索しうるかどうかの解析を行った。 さらに、電弱多重項暗黒物質の中性子星捕獲率を系統的に計算し,中性子星表面温度観測と将来の暗黒物質直接探索実験との相補的役割について検討する研究にも着手した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
・論文リストや学会発表リストにあるように、代表者・分担者ともに順調に研究業績をあげている。 ・2021年11月には、東北大学にて永田が集中講義「中性子星と標準理論を超える物理に関して」を行った。この他にも、本研究課題に関連したテーマに関して、濱口・永田による招待講演が多数あった。このように本研究課題の研究は広く注目を集めており、波及効果も見られ始めている。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は、中性子星の表面温度測定を用いた暗黒物質探索に関する理論研究について2つの論文を執筆した。 ・[arXiv:2204.02238] Phys.Rev.D 106 (2022) 055031, Capture of Electroweak Multiplet Dark Matter in Neutron Stars. ・[arXiv:2204.02413] JHEP 10 (2022) 088, Neutron Star Heating in Dark Matter Models for the Muon g-2 Discrepancy. これらについては2022年度の実績報告書において報告する。 2023年度は、中性子星の内部加熱機構の一つである vortex creep 機構について再検討し、論文を執筆する予定である。またこの vortex creep 機構の暗黒物質探索への影響についても解析する。その他、暗黒物質による中性子星の状態方程式への影響についても議論を進める。
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