研究課題/領域番号 |
20H01899
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分15010:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する理論
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
黒柳 幸子 名古屋大学, 理学研究科, 招へい教員 (60456639)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2022年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2021年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2020年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
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キーワード | 重力波 / データ解析 / 宇宙物理 |
研究開始時の研究の概要 |
宇宙の歴史のごく初期に生成された可能性のある「背景重力波」は、未だに検出はされていないものの、宇宙の誕生やその後の進化の理解に、重要な情報をもたらす観測量として期待されている。本研究では、背景重力波のスペクトルの形状・非等方性・偏光の情報を取り出すためのデータ解析コードを開発し、日本の重力波望遠鏡KAGRAを含む国際的な重力波観測ネットワークによる背景重力波の検出とその起源の推定を行うための体制を整える。本研究が完成することで、近い将来、背景重力波が検出されたときに、その起源への示唆を速やかに与えることができ、光学観測では見ることのできなかった新しい宇宙史の解明に大きな前進をもたらす。
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研究成果の概要 |
本研究では背景重力波のデータ解析の体制を整えるための研究に取り組んだ。まずは理論研究にて、スペクトルの形状・非等方性・非ガウス性・偏光といった特徴量を用いることで、背景重力波の起源を特定することができることを示した。また、LIGO-Virgo-KAGRA O3データを用いて、様々な初期宇宙モデルの制限に取り組んだ。さらに非ガウス性を持つ背景重力波に特化したデータ解析コードの開発に取り組み、機械学習を用いて計算速度を大きく改善することに成功した。これらの経験を活かして、今後はO4データ解析に貢献すると共に、本研究で開発したコードの精度を高め、将来の解析に使えるものを作り上げていく予定である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
国際重力波検出器ネットワークに参加したばかりのKAGRAにとって、データ解析の体制を整えるのは急務である。本研究課題の成果により、KAGRAが世界的検出器ネットワークによる背景重力波探査に参加し、科学的成果を上げるための体制作りを推し進める役割を果たす。 一方、背景重力波は宇宙の起源を理解する上で、非常に興味深い観測対象である。本研究にて、背景重力波の特徴を取り出すデータ解析の体制を整えた上で、今後観測技術が向上することによって、初期宇宙からやってくる背景重力波を捉えることができれば、加速器実験では到底届かないような超高エネルギー物理を理解し、宇宙誕生の謎に迫ることができる。
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