研究課題/領域番号 |
20H01900
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分15010:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する理論
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
福間 将文 京都大学, 理学研究科, 准教授 (10252529)
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研究分担者 |
菊川 芳夫 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (20252421)
金森 逸作 国立研究開発法人理化学研究所, 計算科学研究センター, 研究員 (60399805)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2022年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
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キーワード | 符号問題 / 有限密度QCD / 格子ゲージ理論 / レフシェッツ・シンブル / 世界体積ハイブリッドモンテカルロ法 / ハバード模型 / テンソルネットワーク法 / テンソルくりこみ群 / モンテカルロ法 / 焼き戻し法 / 数値計算 / ハイブリッドモンテカルロ法 / テンソルネットワーク / 分子動力学 / 世界体積 / カイラル行列模型 / ステファノフ模型 / テンパリング法 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、TLT法をより多くの系に適用できるよう高効率化し、近い将来に大グループを組織するための基盤作りとすることを目的とする。具体的目標としては、今後4年間で、上記の問題①~③に困難なく適用できるようアルゴリズムの改良を進めていく。実際、この3つに適用できるようになれば、他の諸問題への適用は得られた手法の組み合わせで行うことができるはずであり、後に大規模なグループを組織して多面的に問題解決を進めるための準備が整う。また同時に、他にも符号問題の解決により大きな進展が見込めそうな系を積極的に探し、必要に応じてアルゴリズムを新たに開発していくことで、TLT法に基づく大きな学術的流れを作っていく。
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研究成果の概要 |
符号問題の解決に向け、「焼き戻しレフシェッツ・シンブル法」(福間・梅田)を改良した「世界体積ハイブリッドモンテカルロ(HMC)法」(福間・松本)を提唱した。これは、その汎用性と結果の信頼性から最も有望な解決法の一つとみなされている。我々はこの手法を格子場理論に適用し、線形逆問題において反復法を積極的に活用することで、局所場理論の計算コストを大幅に削減することに成功した。さらに、配位空間が群多様体である場合まで世界体積HMC法を拡張し、格子ゲージ理論への適用の準備を整えた。 一方で、「群のランダムサンプリング」を用いた格子ゲージ理論用の新しいテンソルネットワーク法を提案し、その有効性を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
符号問題のために進展が停滞している分野は物理学に限っても数多くあるため、符号問題の汎用的解決方法の確立によって惹き起こされる学術的波及効果は大きい。本研究課題で提案した「世界体積ハイブリッドモンテカルロ法」は、汎用性と結果の信頼性に優れており、符号問題の解決に向けた重要な一歩であると考えている。 今後は、時間依存する量子多体系や非平衡統計力学に本研究結果を適用していきたい。これにより、時間変化する系についても本格的な数値計算が可能となり、全く新しい学問的潮流が生まれることを期待している。
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