研究課題/領域番号 |
20H01919
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分15020:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する実験
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
音野 瑛俊 九州大学, 先端素粒子物理研究センター, 助教 (20648034)
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研究分担者 |
有賀 智子 (古川) 九州大学, 基幹教育院, 准教授 (00802208)
田窪 洋介 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 研究機関講師 (50423124)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
18,070千円 (直接経費: 13,900千円、間接経費: 4,170千円)
2023年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 8,970千円 (直接経費: 6,900千円、間接経費: 2,070千円)
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キーワード | ニュートリノ / FASER / シリコン検出器 / LHC / 衝突点前方 / 高エネルギーニュートリノ |
研究開始時の研究の概要 |
FASER実験は、CERNにおいてLHCのビーム衝突点の超前方に未知粒子探索のための検出器とニュートリノ研究のための検出器を配置し、LHCの運転期間となる2021~24年にデータ取得を計画している。本研究はこれらの検出器の間にインターフェース検出器を追加することで、全ての検出器を統合した解析を実現する。そして正・反ミューニュートリノの区別、ニュートリノのエネルギー分解能の向上、背景事象の抑制、世界初の正・反タウニュートリノを区別した測定を実現する。さらにLHCがビーム強度を増強する2027年以降を見据え、トンネルの拡大や検出器の大型化を検討し、今後の高エネルギーニュートリノ研究の道を拓く。
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研究実績の概要 |
FASER実験はLHCのビーム衝突点の480m前方にFASER検出器を設置し、未知粒子の探索と高エネルギーニュートリノの測定を目指している。本研究では未知粒子探索のための検出器(飛跡検出器、ダイポール磁石、シンチレーター、カロリメータ)と高エネルギーニュートリノ測定のための検出器(タングステン板とエマルションフィルム、シンチレーター)の間に新たにインターフェース検出器を追加することで、全ての検出器を統合した物理解析を可能とする。2021年度はインターフェース検出器の組み上げ作業と地上での試運転を完了し、2021年11月に地下の実験区域に設置した。未知粒子探索のための検出器との統合運転を進め、地上での試験と変わらない性能を確認した。これらの結果をまとめたFASER検出器の論文を執筆し投稿している。
LHCの第3期運転(2022-2025)における24時間体制での運用に向けたデータ取得システムや検出器制御システムの準備を進めた。2022年7月、LHCは13.6TeVの重心系エネルギーでのビーム衝突を開始し、インターフェース検出器を含む全てのFASER実験の検出器はデータ取得を開始した。LHCのビーム衝突で生成するミューオンを用いてインターフェース検出器の性能を評価し、タイミングや印加電圧に対する依存性を調べ、データ取得や検出器制御のためのすべての設定パラメータを確定した。そしてインターフェース検出器を含めたミュオンの飛跡の再構成を実現した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
LHCの第3期運転の開始に合わせ、インターフェース検出器を含む全てのFASER検出器がデータ取得を開始した。既にインターフェース検出器も含めた飛跡の再構成も実現できており、期待通りの性能が発揮できている。本研究は概ね順調に進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
LHCの第3期運転における安定したデータ取得を実現する。そしてLHCのビーム衝突で生成するミューオンを用いたインターフェース検出器のアライメントを進め、飛跡に対する位置および運動量測定の精度を向上する。FASERの全検出器を統合したニュートリノ測定の初期結果について2023年度に公表し、統計および解析を改善させた結果について2024年度の公表を目指す。
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