研究課題/領域番号 |
20H01930
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分15020:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する実験
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
松田 恭幸 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (70321817)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
18,200千円 (直接経費: 14,000千円、間接経費: 4,200千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2020年度: 11,700千円 (直接経費: 9,000千円、間接経費: 2,700千円)
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キーワード | 反水素 / 反陽子 / CPT対称性 / マイクロ波分光 / 超微細構造 / プラズマ制御 / 減速膜 / ペニングトラップ |
研究開始時の研究の概要 |
粒子とその反粒子との間の対称性(CPT対称性)がどこまで正しいのかを調べるために、反水素原子の分光を行って、水素原子と比較しようというのがこの研究の目的です。高精度の分光を行うためには反水素原子を大量に生成する必要があり、そのためには大量の冷却された反陽子を準備する必要があります。断熱冷却や蒸発冷却等の手法を用いることができる新たなイオントラップを設置し、反水素原子のマイクロ波分光を実現します。
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研究成果の概要 |
CERN ADに新たに設置された ELENA 減速蓄積リングのポテンシャルを最大限に活用すべく、新たにドリフトチューブ型反陽子ビームエネルギー調整器を制作し、反陽子蓄積トラップの入射部に設置した。ELENA からの1回の反陽子引き出しあたり100万個以上という非常に高い効率で反陽子を捕獲し、大強度・超低速の反陽子ビームを生成することに成功した。パルス状に引き出した反陽子と陽電子を混合することで低音の反水素原子をパルス状に生成され、S/N 比の良い反水素原子分光を行うことができる。また、DC状に引き出すことで反陽子との原子核反応や原子散乱実験も可能となり、反陽子を用いた様々な研究に貢献できる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
「現在の宇宙に物質は存在するが反物質は存在しない」という宇宙における物質と反物質の非対称性の源を確かめるため、我々はもっとも単純な反物質である反水素原子の分光を行うべく研究を続けており、本研究において高効率で反陽子を捕獲することに成功したことによって、実験で利用できる反陽子の数は飛躍的に向上し、この謎の解明に大きく前進した。 我々が(対消滅せずに)宇宙に存在するのは物質と反物質の間に非対称性があるためだと言うことができ、この課題は人類が古来から自らに問いかけてきた問題に、物理学の立場から応えようとするものと言える。その意味で、この謎の解明は大きな社会的な意義を持つ
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