研究課題/領域番号 |
20H01961
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17010:宇宙惑星科学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
吉川 顕正 九州大学, 国際宇宙惑星環境研究センター, 教授 (70284479)
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研究分担者 |
Ohtani Shinichi 九州大学, 国際宇宙惑星環境研究センター, 客員教授 (20778641)
中溝 葵 国立研究開発法人情報通信研究機構, 電磁波研究所電磁波伝搬研究センター, 主任研究員 (90437757)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
15,860千円 (直接経費: 12,200千円、間接経費: 3,660千円)
2022年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2021年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2020年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
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キーワード | 磁気圏電離圏結合 / 電離圏分極効果 / 電離圏能動的効果 / 電離圏の能動的役割 / 太陽風-磁気圏-電離圏結合シミュレータ / Hall分極効果 / 磁気圏ダイナミクス / 電離圏能動プロセス / 能動的電離圏 / オーロラダイナミクス / 強磁場弱電離気体系 |
研究開始時の研究の概要 |
地球電離圏はその強磁場弱電離気体系としての特有のダイナミクスを有し、磁気圏ダイナミクスに大きく影響を及ぼす能動的役割を持つ」と提案、この新概念を実証するために、 (A) 数値実験による電離圏対流変調効果など、 MI結合の結果電離圏に発現する現象の磁気圏構造/ダイナミクスへの影響の抽出 (B) データ解析によるオーロラ間近接相互作用をもたらす電離圏独自の局所ダイナミクスの解明を目的とした研究を遂行し、MI系ダイナミクスの理解深化へ向け、旧来の固定観念を刷新、 (C)それらを包括的に記述する多圏間結合系プラズマ力学の一般化と結合理論の構築をつうじて、宇宙惑星科学の基盤となる学術の進展に貢献する。
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研究成果の概要 |
従来、磁気圏現象の合わせ鏡として扱われていた電離圏について、そのダイナミクスを徹底的に整理し、結合系において生じる電離圏ダイナミクスが、磁気圏ダイナミクスに対して能動的に働く様子を明らかにした。電離圏を出入りするAlfven波によるエネルギ-、運動量交換の形で整理したアルゴリズムを、グローバルな太陽風-磁気圏-電離圏結合シミュレータに実装することにより、電離圏の分極過程、特にHall伝導度の非一様領域で生じるHall分極場は、電離圏対流を歪め、結果その過程に於いて生じたHall分極電場とそれに付随する、電離圏から湧き上がる沿磁力線電流が、磁気圏イナミクスを修正していることが明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
地球磁気圏電離圏結合システムは、宇宙天気をコントロールする最も重要な要素の1つである。この系において、従来電離圏は磁気圏の合わせ鏡として見做され、磁気圏ダイナミクスに対して能動的な役割を持つとは考えてこられなかった。これに対して本研究は、まずPBIと呼ばれるオーロラ増光現象は、電離圏から磁気圏に向けて湧き上がる自由エネルギーを利用して生じていることを観測的に確かめると同時に、計算機実験により、電離圏で生じた分極効果が磁気圏ダイナミクスに影響を与えていることなど明らかにした。以上の様に、本研究は、電離圏が磁気圏に対して動的効果を働きかけるということを明らかにしたという学術的にも重要な意義を持つ。
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