研究課題/領域番号 |
20H01982
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17030:地球人間圏科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
安田 敦 東京大学, 地震研究所, 准教授 (70222354)
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研究分担者 |
藤井 敏嗣 山梨県富士山科学研究所, その他部局等, 所長 (00092320)
吉本 充宏 山梨県富士山科学研究所, その他部局等, 研究員 (20334287)
亀谷 伸子 山梨県富士山科学研究所, その他部局等, 研究員 (50848562)
杉山 浩平 東京大学, 大学院総合文化研究科, 特任研究員 (60588226)
嶋野 岳人 常葉大学, 大学院・環境防災研究科, 教授 (70396894)
西澤 文勝 神奈川県立生命の星・地球博物館, 企画情報部, 学芸員 (70813905)
田島 靖久 日本工営株式会社中央研究所, 先端研究センター, 研究員 (70831642)
金子 隆之 東京大学, 地震研究所, 准教授 (90221887)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2023年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2021年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
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キーワード | テフラ / データベース / 対比 / 単一給源 / 富士山 / 識別 |
研究開始時の研究の概要 |
テフラの対比は自然科学の基礎として多くの分野で役立てられているが,一つの給源火山に由来する火山噴出物の場合,構成鉱物やガラスの組成が似通っているため個々のテフラの識別が容易ではない. 本研究では,富士火山の新富士活動期に山の東側に堆積した6千年前以降のテフラ群をテストケースとして,粒子形状,石基鉱物の大きさと種類,気泡形状と大きさなど多項目の情報を組み合わせてのテフラの識別手法の確立と,対比のための情報のデータベース化を行う.
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研究実績の概要 |
富士山東麓の籠坂峠で採取した32層の試料について、次の項目の計測結果が出揃った。全岩化学組成(XRF-major, XRF-trace)、スコリア形状、スコリア測色値、石基ガラス組成(EPMA分析値)、メルトインクルージョン組成(EPMA分析値)、斑晶組成(かんらん石、斜長石、単斜輝石、直方輝石、磁鉄鉱のEPMA分析値)、石基マイクロライト(斜長石)数密度、気泡数密度、気泡サイズ分布、気泡形状。 これらの計測結果について、テーブルと図にまとめて、任意のテフラとの特徴比較ができるようにした。その結果、いくつかの層については、対比に有効な指標が明確化できた。例えば、S-14-3からS-17については、斑晶組成を調べることによって、他の時期の噴火とは区別可能であり、さらに全岩化学組成を組み合わせることで、個別の噴火についてかなり詳細に噴火時期を絞り込める。また、S-9は石基組織や気泡サイズに特徴があることや、いくつかの層準については微量元素比で他の層との区別が可能であることなどが明らかになった。 他のいくつかの露頭でも試料採取をすすめており、同様の多項目計測データをそろえつつある。それらの試料を使って、対比の有効性を確認する作業を開始した。加えて、大沢スコリアや大淵スコリアといった富士山周辺の遺跡でしばしば採取されている富士山起源のテフラについても、確実なテフラの対比ができるよう多項目計測をすすめつつある。 多項目計測結果による対比の信頼性を評価する数学的方法についての試案をまとめ、学術雑誌に公表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでのテフラの対比につかわれていた計測項目よりも格段に多い特徴量が得られており、信頼性の高い識別・対比が可能になりつつある。
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今後の研究の推進方策 |
今後はよりいっそうの多くのテフラについてデータを収集することと、使いやすいデータベースの構築に注力する。
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