研究課題/領域番号 |
20H02000
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17040:固体地球科学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
山本 順司 九州大学, 理学研究院, 教授 (60378536)
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研究分担者 |
吉村 俊平 北海道大学, 理学研究院, 助教 (20706436)
馬上 謙一 北海道大学, 理学研究院, 助教 (70624758)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
16,640千円 (直接経費: 12,800千円、間接経費: 3,840千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 7,800千円 (直接経費: 6,000千円、間接経費: 1,800千円)
2020年度: 7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
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キーワード | マントルウェッジ / 炭素 / 流体包有物 / 同位体比 / 窒素同位体比 / 炭素同位体比 / 捕獲岩 / 同位体分析 / 窒素 / 局所分析 / 沈み込み帯 / 炭素同位体 / 窒素同位体 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,海洋プレート由来の炭素がマントルウェッジに存在するのか明らかにするため,マントルウェッジ由来のかんらん岩捕獲岩に見られる流体包有物の炭素および窒素の同位体比を分析する. 海洋プレートが持つ炭素や窒素に関する端成分とそれらの混合ラインに照らし合わせると,レーザー抽出によって流体包有物から取り出した炭素や窒素の同位体比を掛け合わせることで,マントルウェッジにおける海洋プレート由来炭素の有無を決定できる.かんらん岩捕獲岩からレーザー抽出によって取り出せるCO2やN2量はナノモルレベルであるため,同位体比の測定精度は1‰程度になるが,本研究には十分な精度である.
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研究成果の概要 |
本研究では,マントルウェッジにおける海洋プレート由来炭素の有無を検証することを目指し,マントルウェッジ由来のかんらん岩捕獲岩に見られる流体包有物の炭素および窒素の同位体比を分析した.同位体比の測定法としては,超高真空中で流体包有物のガスを抽出するシステムと質量分析装置を組み合わせた手法に加え,顕微ラマン分光分析による質量分析を採用した.秋田県男鹿市一丿目潟や極東ロシアなどの沈み込み帯で採取したかんらん岩捕獲岩(合計10個)の炭素及び窒素の同位体比を測定したところ,深層水由来と解釈される同位体的特徴が確認された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では,海洋プレートから由来した炭素がマントルウェッジに浸入していることを世界で初めて直接証明することに成功した.これは,沈み込む海洋プレートと火山噴火を出口・入口とする大規模な炭素循環系の存在を示すものであり,社会的にも関心が高い炭素循環系の時空間スケールや炭素流量の探求に極めて大きな影響を及ぼすに違いない.また,マントルに含まれる炭素はマントル鉱物の融点を低下させ,沈み込み帯におけるマグマ生成機構にも影響をもたらすため,本研究の結果は,地球内部と地球表層をつなぐ熱や物質の循環系全体の枠組みに再構築を迫る知見になると思われる.
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