研究課題/領域番号 |
20H02007
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17040:固体地球科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
堤 昭人 京都大学, 理学研究科, 准教授 (90324607)
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研究分担者 |
三宅 亮 京都大学, 理学研究科, 准教授 (10324609)
伊藤 正一 京都大学, 理学研究科, 准教授 (60397023)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
18,460千円 (直接経費: 14,200千円、間接経費: 4,260千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2020年度: 13,910千円 (直接経費: 10,700千円、間接経費: 3,210千円)
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キーワード | 岩石摩擦 / 石英岩 / 高速摩擦 / 速度弱化 / 摩擦ヒーリング / 石英摩擦 / 高速弱化 / 断層 / 高速摩擦弱化 / 水架橋 / 石英 / ヒーリング |
研究開始時の研究の概要 |
断層すべりに伴い摩擦強度が低下する性質は,不安定すべりを引起こす要因となるため,地震発生の過程や断層のすべり挙動をモデル化する上で重要な性質である.近年, 比較的低速のすべり速度条件で,石英を主体とする物質において顕著な摩擦強度の弱化が見られることが明らかにされた.しかしその機構は未解明である.本研究は,実験により幅広いすべり速度条件における岩石摩擦強度の弱化特性を解明し,摩擦面接触部のナノスケール三次元物質解析を行うことで真実接触部の変形構造と力学物性の詳細を明らかにし,さらに,これらの結果を統合することで,摩擦強度弱化挙動の全貌とその発現機構を解明することを目的として実施するものである.
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研究成果の概要 |
人工水晶を用いた摩擦実験を、試料近傍の相対湿度条件を0-80%RHの範囲で制御した条件でおこない、定常摩擦係数の値や待機時間に依存した摩擦強度回復の性質が湿度条件に依存していることが明らかになった。また、石英試料中の極めて微量な含水量の差が乾燥状態での定常摩擦係数に影響を及ぼしている可能性も示された.微小押し込み試験機を用いた実験結果は,接触投影面積の保持時間増大による変化率が相対湿度に依存しないことを示している.断層表面に形成されたナノスケール積層構造をなす磨耗物表面の水架橋に起因した吸着力が摩擦に影響を及ぼしている可能性がある.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
岩石の摩擦において,すべり開始前に摩擦面が押しつけられている時間が増加するほど摩擦が大きくなることが知られている.ヒーリングとも呼ばれるこの摩擦強度の時間的増大の性質は,地震時に低下した摩擦の回復過程のみならず,すべり時に摩擦強度が低下する性質を理解する上でも重要である.本研究では人工水晶を用いた実験を行い、断層表面に形成されたナノサイズの摩耗粒子表面に吸着した水が,摩擦の性質に大きく影響していることを明らかにした。
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