研究課題/領域番号 |
20H02009
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17040:固体地球科学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
大藤 弘明 東北大学, 理学研究科, 教授 (80403864)
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研究分担者 |
M Satish‐Kumar 新潟大学, 自然科学系, 教授 (50313929)
鍵 裕之 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 教授 (70233666)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
18,070千円 (直接経費: 13,900千円、間接経費: 4,170千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2020年度: 9,620千円 (直接経費: 7,400千円、間接経費: 2,220千円)
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キーワード | ダイヤモンド / C-H-O流体 / マグネサイト / 炭素同位体 / 高圧実験 / NanoSIMS / マントル / 深部流体 / 炭酸塩 / 包有物 / 電子顕微鏡 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,マントル深部由来のダイヤモンド中に含まれる流体包有物に特に注目し,内部を充填する析出物の鉱物・化学組成と量比を調べ,ダイヤ生成流体の化学的特徴を明らかにする.また,ダイヤモンドの炭素同位体組成や微量元素パターンも考慮に入れ,多角的見地より深部由来ダイヤの起源と生成環境を探る.さらに,還元的なC-H-O流体と地殻・マントル物質の共存系で高圧実験を通して固液間相互作用とダイヤ生成における流体の役割を明らかにする.
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研究成果の概要 |
天然試料中の包有物の分析の結果,深部由来ダイヤモンドの形成は流体に飽和した環境で起こる可能性が高いことが分かった.炭酸塩とCH4に富んだ還元的な流体の共存系での高圧実験の結果,両者の反応で生じるダイヤは幅広い炭素同位体組成を持つことが明らかとなった.Eタイプダイヤや深部由来ダイヤの一部にみられる-25~-15‰の炭素同位体組成は,沈み込んだ炭酸塩と生物源物質に起源をもつC-H-O流体の反応を通した炭素同位体の同化作用の結果生じた可能性が考えられる.マントル深部起源ダイヤの生成は,炭酸塩の分解で生じたCO2流体と周囲のCH4に富んだ還元的なC-H-O流体の混合が鍵となっているかもしれない.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の結果,起源・成因のよく分かっていないマントル深部起源のダイヤモンドの形成にCH4やH2Oなどの混合からなるC-H-O流体が密接に関与し,そのような流体と沈み込み帯から地球深部へ供給される炭酸塩との反応が深部起源ダイヤの起源となり得ることが初めて明確に示された.ダイヤモンドは,地球の深部に渡る炭素の大循環の主役であり,その成因を理解することは,地球における物質循環とその時間的変動・進化を捉える上でも意義は大きい.
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