研究課題/領域番号 |
20H02019
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17050:地球生命科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人海洋研究開発機構 |
研究代表者 |
高野 淑識 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 海洋機能利用部門(生物地球化学センター), センター長代理 (80399815)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
18,070千円 (直接経費: 13,900千円、間接経費: 4,170千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2020年度: 10,010千円 (直接経費: 7,700千円、間接経費: 2,310千円)
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キーワード | - / ロキアーキオータ / アーキア / 共通祖先 / 軽元素標識法 / 系統樹の分岐点 / 細胞様式 / 分子レベル解析 / アーキア(古細菌) / 地下生命圏 / 無酸素環境 / クロマトグラフィー / 高分解能質量分析法 / 深部地下帯水層 / 深部流体 / 始原的なメタン生成アーキア / 補酵素F430 / カーボンサイクル |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、世界最高の分析精度・確度の新しい方法論を用いて、地球生命科学的な観点から、地下生命圏の始原的な原核生物(バクテリア、アーキア)と真核生物(ユーカリア)の共通祖先の栄養共生のメカニズムを検証する。ここで重要になる第一義的な栄養基質が、アミノ酸である。あらゆる地球生命にとって、アミノ酸の栄養性要求は、「必須アミノ酸」と「非必須アミノ酸」に分けられる。それらの遺伝子コードと共に、精密な動態解析を行い、性状未知生命の栄養性の応答を詳細に調査解析する。炭素源となる有機酸、炭素・窒素源となるアミノ酸とともに、短鎖ペプチド(ジペプチドやオリゴペプチド等)の重要性も併せて調査する。
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研究実績の概要 |
真核生物の起源の最有力候補としてロキアーキオータと呼ばれるアーキア(古細菌)が大きな注目を集めている。理由は、「アーキアとユーカリア(真核生物)の共通祖先」とされるためである。今年度の研究では、標識法を応用した室内実験での生化学的な検証と共に、その系統群の生物地理区の特性把握のために、いくつかのフィールド調査を併せて行った。とくに、北米プレートとユーラシアプレートの境界に位置する糸魚川―静岡構造線上に位置する断層湖(諏訪湖)は、「地質学的なホットスポット」であり、厳冬期に不凍のビッグホールを形成し、湖氷の不均質性の出現にも影響を与えている。しかしながら、これらのガスの主成分や起源、表層水圏に放出された後の動態を含め、物質循環に関する全体像については、ほとんど不明であったので、ガス流体に含まれる分子種に着目し、精密な分子レベル安定炭素同位体比・放射性炭素同位体比の解析を行い、深部炭素を起源とするメタンが主体であることを明らかにした(ACS Earth and Space Chemistry誌、2022年 6月15日 公開)。ACS Earth and Space Chemistry誌の審査では、トップ5%の上位スコアの評価を受け、同号の表紙に採用された。 これにより「地質学的ホットスポット」である表層水圏の炭素循環の全体像の理解が期待される。また、深部由来のメタンが湧出する現象は、メタンの湧出が確認される現場環境でのメタンサイクルを解き明かすためのモデルケースとしても期待されている。本研究では、定点観測を行われているスカイシープロジェクト(Sky Sea Project: SSP)および八剱(やつるぎ)神社 宮司グループから、ご協力頂いた。
[注釈]Covid-19の影響でフィールド調査(越県および入域の制約)および室内実験(化学分析・質量分析など)の予定変更を余儀なくされたため、一部の研究成果について、2021-2022年の間で連続的な調査研究を行っています。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度までは、新型コロナウイルスによる実験計画やフィールド調査計画に遅れが見られたが、今年度は、順調に進展できた 。 関連するプレスリリース1件を行った。 「プレート境界の断層湖で湧出する地下深部ガスの分子種特定と物質循環への寄与を解明:厳冬期の湖氷に出現するビッグホールの謎を明らかに」(国立研究開発法人 海洋研究開発機構 2022年 6月 15日付け)
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今後の研究の推進方策 |
次年度以降の研究では、標識法を応用した室内実験での生化学的な検証と共に、その系統群の生物地理区の特性把握のために、いくつかのフィールド調査を併せて行うこととする。
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