研究課題/領域番号 |
20H02020
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17050:地球生命科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人海洋研究開発機構 |
研究代表者 |
川口 慎介 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地球環境部門(海洋生物環境影響研究センター), 主任研究員 (50553088)
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研究分担者 |
井尻 暁 神戸大学, 海事科学研究科, 准教授 (70374212)
上野 雄一郎 東京工業大学, 理学院, 教授 (90422542)
松井 洋平 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 超先鋭研究開発部門(超先鋭技術開発プログラム), 特任技術副主任 (90756199)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2022年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2021年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2020年度: 7,150千円 (直接経費: 5,500千円、間接経費: 1,650千円)
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キーワード | 炭化水素 / メタン / 地殻内環境 / 安定同位体 |
研究開始時の研究の概要 |
『干し草の山から針を探す』という西洋の慣用句がある。困難な事業の例えだ。とはいえ、干し草に火を放てば針だけが残るだろうし、強力な磁石を用意すれば針だけを吸い付けられるだろう。つまり、干し草と針それぞれの性質を十分に把握すれば、針を発見するという目的は困難なく達成できるのだ。地殻内環境の炭化水素研究にあてはめると『干し草(熱分解起源)から針(有機合成反応起源)を探しだすためには両者の性質(同位体システマチクス)を十分に把握するのが有効だ』ということになる。本研究では干し草の性質を解明する。
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研究成果の概要 |
本研究は、マクロな有機物の熱分解に伴って生成する揮発性炭化水素の炭素水素同位体組成の特徴を、実験および観測により決定することを目指すものであった。実験では、地質条件での熟成を受けていない物質の代表としてリグニン、熟成した物質としてオクタデカンをそれぞれ用いた。天然環境としては霧島系の噴気と温泉水を調査した。すべての試料について、炭素同位体比、水素同位体比、および多重置換同位体組成の分析を行った。分析した試料はいずれも熱分解由来炭化水素であるが、相互に異なる同位体システマチクスを呈することが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
揮発性炭化水素、なかでもメタンは、現代社会を支える燃料資源、現代社会の最大課題である温室効果気体、地球生命の限界温度で生育するメタン生成古生物の代謝生成物、そして始原地球における非生物有機合成の基盤基質であることから、学術的および社会的な意義をもつ分子群である。本研究では、天然には複数の起源が知られる揮発性炭化水素について、熱分解に由来する揮発性炭化水素の呈する同位体的特徴を把握することで、その起源と循環を定量的に解釈する基盤を整備する成果がえられた。
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