研究課題/領域番号 |
20H02025
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分18010:材料力学および機械材料関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
徳 悠葵 名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (60750180)
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研究分担者 |
巨 陽 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (60312609)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,940千円 (直接経費: 13,800千円、間接経費: 4,140千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 9,100千円 (直接経費: 7,000千円、間接経費: 2,100千円)
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キーワード | 薄膜 / 原子配列 / ナノ材料 / 界面 / 電子風力 / 原子拡散 / エレクトロマイグレーション / 密着強度 / 原子再配列 / 高秩序化 / 結晶構造 / 高周波高密度電流 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,金属薄膜を対象に,熱処理に依らない高周波高密度電流による原子の再配列を世界で初めて実現する.これは,電子と原子の力学的相互作用,すなわち電子風力を原子配列の「揺さぶり」として利用することにより,自発的に原子を安定位置へと再配列させる極めて独創的な手法である.これにより,結晶方位の整列,結晶粒の増大,最密結晶面の増加,点・線欠陥の消滅を誘起し,薄膜の応用上重要な密着性・導電性といった機械特性・電気特性の向上を実現する.さらに,高周波高密度電流がなす原子の駆動現象のメカニズムを解明し,熱処理に依らない新たな電子風力を基盤とした原子配列・結晶構造の制御法として学理構築を目指す.
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研究成果の概要 |
本研究では金属薄膜を対象に,高周波(100kHz以上)の高密度電流が原子配列に及ぼす電子風力の周期的「揺さぶり」によって原子の再配列を実現した.また,原子再配列の学理解明のため,高分解能透過型電子顕微鏡によるその場観察を実施した.さらに,応用上重要な薄膜の品質を定量評価するため,電流印加前後における薄膜の機械特性・電気特性について調査を行った.目的達成のため,3カ年計画により次の3項目「1.薄膜の結晶構造解析および材料特性評価」「2.原子配列変化の動的挙動の可視化」「3.高周波高密度電流と原子の力学的相互作用に関する理論モデルの構築」を研究目標として推進した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は,高周波の高密度電流がなす電子風力によって金属薄膜の原子配列を制御する世界初の研究であり,熱処理に依らない原子の再配列技術として材料科学分野を拡張する学術的に極めて高い独創性・創造性を有している.さらに,いままで結晶構造の制御が熱処理や結晶成長のみによって実現されてきた現状を打破し,新たに電子風力を基盤とした原子再配列法を世界に先駆けて発信することができる. これは,熱処理に依らない原子の再配列現象として従来熱力学的に捉えられてきた材料科学を拡張し,物理化学や固体物理,物性物理などの広い学問分野にも大きな波及効果が期待できる.
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