研究課題/領域番号 |
20H02027
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分18010:材料力学および機械材料関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
嶋田 隆広 京都大学, 工学研究科, 教授 (20534259)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
18,070千円 (直接経費: 13,900千円、間接経費: 4,170千円)
2022年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2020年度: 10,660千円 (直接経費: 8,200千円、間接経費: 2,460千円)
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キーワード | 格子欠陥 / 強誘電体 / 磁性 / マルチフィジックス特性 / 第一原理解析 / 第一原理計算 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、酸化物中に存在する格子欠陥(原子空孔、転位、結晶粒界など)に母材が持ち得ない磁性や強誘電性が現れることに着目し、このメカニズムを原子・電子論に基づいて評価・解明することで、格子欠陥によって原子スケールの磁性強誘電体(マルチフェロイックス)を創出できることを解析的に示すものである。さらに、外力による負荷ひずみが、欠陥部に生じる機能を変化させること(マルチフィジックス現象)の原理を解明する。
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研究成果の概要 |
本研究では、原子空孔・転位などといった格子欠陥に着目し、量子力学に基づく第一原理計算を行うことで、格子欠陥部に母材にはない原子スケールのミクロな磁性・強誘電性が発現することを明らかにした。すなわち、臨界ナノ寸法以下の構造体では強誘電性等は存在し得ないという従来概念を覆し、格子欠陥によって原子スケールの磁性強誘電体を創り出せることを示した。また、格子欠陥の構造に依存して発現する機能が異なっており、構造機能相関の存在と構造設計可能性を示した。さらに、負荷ひずみに対する新奇特性の連動性(マルチフィジックス)を究明し、この格子欠陥機能を力学的に制御する指針を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、力学的な負荷ひずみと、従来は材料機能を劣化させる因子として忌避されてきた欠陥によって新奇な磁性強誘電体を創り出すことで、材料力学的観点に基づく全く新しい機能創成の可能性を開拓した点にその学術的意義がある。特に、臨界寸法以下の強誘電性は存在し得ないという従来概念を覆し、格子欠陥によって究極的に小さな原子寸法の磁性強誘電体の可能性を示した点にその特徴がある。また、負荷・電場・磁場の複合力場による複数の極性(磁気モーメント・分極)を利用した新規情報記録デバイスの超大容量化などの新しい技術を開拓するためのナノ機能要素を示した点に産業応用としての社会的意義がある。
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